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コミュニティーサテライトオフィス講座
愛知産業大学経営学部経営環境学科セミナー
「現実に展開する問題から国際社会を読み解く」
2008.03.17更新






「地球社会の人権保障論」
講師:瀬川博義(愛知産業大学経営学部経営環境学科教授)
平成19年12月15日(土)

 人権保障に関する問題。これは私たちが日常生活を送っているだけではなかなか実感しにくい問題であるが、世界各国を眺めると国家や民族間、異教徒などの間で人権保障に端を発する対立が様々な地域で発生している。経営環境学科セミナーの最終回となる12月15日は、こうした問題を地球規模で俯瞰してみることをテーマに瀬川博義教授が講演した。
 まず、その歴史を振り返ると、17世紀までは支配者に反することができない時代、つまり人権に関する問題が強引に葬られていた時代であった。しかしながら、1776年のアメリカ独立宣言は「全ての人間は平等につくられている」ことを謳うと共に「生命、自由、幸福の追求」の権利を掲げたことが、その後の歴史に大きな影響を与えることになった。例えば、1789年にラ・ファイエットによって起草され、自由・平等・博愛の精神を高らかに掲げたフランスの人権宣言、さらにそのおよそ100年後、日本における自由民権運動も大きな影響を受けた。
 20世紀に入り、二つの世界大戦を経て1945年に世界平和と安全の維持、人権の保護を目的として諸国の行動を調整する為に設立された国際連合は、大戦中に引き起こされた様々な虐殺を繰り返さない様にジェノサイド条約、さらには世界人権宣言を採択した。一人ひとりの人権を守るこの宣言は、日本をはじめ各国の憲法に活かされていった。
 現在、諸外国においてはこの世界人権宣言の様に、国際的な条約が国内の条約として活かされているケースが数多く見られる。ただし、中央アジアや中東などでは事実上戦争状態に陥っている国々もあり、そうした場合に戦勝国が敗戦国を支配しているのが実情であり、人権保障は有名無実に過ぎない。すなわち、平和を取り戻すことこそが、人権保障への最初の第一歩であることが窺える。また、キプロスやレバノン、ミャンマーやカンボジアのように、自国の政府と集団が主張する人権が衝突するケースも見られ、国や制度の安定が人権保障の整備につながることが明白である。平和、豊かさ、安定、生きる環境が整ってこそ、人権に目が向く。地球を俯瞰すると、私たちが解決しなければならない課題がまだ数多くあることが分かったセミナーであった。

 このセミナーの終了後、8月25日から5回にわたって開催された経営環境学科セミナーに4回以上出席した方々にこの日の講師を務めた瀬川教授から修了証が送られた。10名以上の方々が授与されたこのセミナーは今年度をもって終了するが、市民の方々とのコミュニケーションは今後も様々なカタチで実現したいと瀬川教授は語った。



価値観を転換し、ウォンツをニーズにできる
未来創造型製造業の構築をめざして。
2008.03.11更新




経営哲学特講 II 特別講師:株式会社スペースクリエイション
代表取締役 青木邦章 氏
平成19年12月5日(水)

 12月5日に行われた今年度最終の経営哲学特講に講師としてお招きしたのは、株式会社スペースクリエイション代表取締役 青木邦章氏。青木氏はヤマハ発動機を退職後、1987年に株式会社スペースクリエイションを設立し、浜松市を拠点として、自動車産業を中心に、自動計測器設計製作 開発試験器設計製作、受託試験、受託商品開発などの業務を行っている。企業テーマは「Not Production But Creation(製造ではなく創造を)」。決まったものを製造することよりも、常に新しい価値を創造することにこだわり、最近では、独自の技術とネットワークを活かして、産学官連携や新連携にも取り組み、新たな事業分野の開拓にも積極的にチャレンジをしている。
 青木氏は、浜松の歴史や風土を分析しながら、浜松の他のものづくり企業や、ベンチャー企業としての要件、日本のものづくり企業の行方などについて話した。浜松には、ホンダやヤマハ、スズキなど、世界でもトップクラスのオートバイメーカーや、楽器メーカーのヤマハやカワイがあるほか、多くのものづくり企業がひしめきあっている。浜松のものづくりの歴史は、江戸時代の綿織物からスタートし、自動織機、そして機械工業へと変遷。一方天龍杉を使った製材業から楽器、プロペラからオートバイへとつながってきた。浜松のものづくり産業を発展させてきた背景には、徳川家康の天下取りの舞台であり、多くの重臣を輩出した歴史や、東西の交通の要衝であり、人、モノ、金、情報といった経営資源が潤沢であったことに起因すると分析。そのうえに、浜松の風土として「やらまいかスピリット」すなわちレッツトライの精神がものづくり企業を育んできたと結論づける。
 日本はかつて世界の工場といわれていたが、今は中国やベトナムが取って代わっている。これからは、世界の研究開発拠点として生きるべきという。そこでより重要なのは、ユーザーの志向を開発者自らがダイレクトにマーケティングし、ウォンツをニーズにすることが必須。技術はもちろん高いレベルが必要であるが、それは手段に過ぎないため、あくまで価値観やこだわりを大切にしながら、その中でニーズを探さなければならない。これからの日本の中小企業は、未来創造型を目指すべきで、2次産業ではなく限りなくサービス産業に寄ったウォンツを具現化することのできる2.5次産業であるべきという。そして未来創造型製造業を構築するには、リーダーシップのとれるカリスマ経営者、ユーザーのウォンツを把握し半歩先の商品企画者をするマーケッター、情熱を持ったエンジニア、その他の献身的なスタッフが存在し、プロジェクトマネジメントが行われるべきと提案した。
 たしかに青木氏のいうように、このままでは日本の中小企業やものづくり産業は低迷の一途を辿るだろう。これまでの価値観を一転し、未来を見据えた企業戦略が必要であるに違いない。
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コミュニティサテライトオフィス講座
愛知産業大学経営学部経営環境学科セミナー
「現実に展開する問題から国際社会を読み解く」
2008.03.07更新




「国境を越えた企業の社会的責任」
講師:小野 琢(愛知産業大学経営学部経営環境学科講師)
平成19年11月17日(土)

 経営環境学科セミナーの第4回講座が、松坂屋岡崎店内のコミュニティサテライトオフィスで開催され、企業の社会的責任についての研究を専門とする本学経営学部経営環境学科の小野琢講師が「国境を越える企業の社会的責任」と題して、講演を行った。
 小野講師は、国際的な観点から見た各国のCSR事情について、また世界レベルから見たCSR について解説した。企業の社会的責任は、全世界的な規模になりつつあるという。グローバリゼーションの時代に突入し、全世界的な巨大な市場が出現し最適生産の概念が拡大。同時に人件費の安い中国・東南アジアや東欧諸国等で経済活動が活発化し、逆に日本をはじめ先進諸国では雇用が流出し、失業率が上昇した。英米流経営方式がグローバルスタンダードとなり、それに対する反グローバリズム運動も活発化する。一方発展途上国だった中国やインド等の経済発展に伴って二酸化炭素CO2の排出量が上昇。これは地球環境を確実に悪化させる原因となった。
 CSRの面で進んでいるのはヨーロッパで、雇用問題の深刻化により民間活力を利用してCSRを推進。1996年の「社会的疎外に反対するビジネスのヨーロッパ宣言」が欧州のCSRの原点である。同年CSRヨーロッパというヨーロッパの多国籍企業によるネットワークが発足し、現在60社ほどが加盟。さらに1999年、国際連合世界経済フォーラム(ダボス会議)において、当時のアナン事務総長がグローバルコンパクトを提唱。参加企業は人権、労働、環境の3分野の9原則の遵守を義務化。2001年にグリーンペーパー(政策提言文書)「CSRに関する欧州枠組みの推進」が発行され、CSR活動がいかに企業競争力を高めて社会全体に利益となるかを強調した。これによってヨーロッパにおけるCSRの概念が成立した。イギリスでも、1997年以降、トリプルボトムラインという概念を策定。これは企業業績の経済面ばかりではなく環境面や社会面を合わせた3つのボトムラインが企業評価にとって重要であるとの概念である。一方アメリカでは株主の力が強いため、SRI(社会的責任投資)の拡大によりCSRが推し進められてきた。1998年アメリカ労働省はERISA法(従業員退職所得保障法)に定められた受託者基準において、財務的な要因が損なわれない限りはSRIを排除する理由はないとの見解を示したことがさらにSRIの拡大を促進。一方2001年のエンロン事件、翌年のワールドコム事件により利益至上主義への批判が高まりCSR推進を加速化した。
 日本では、グローバリゼーションの進行で国内の空洞化となり、資本調達を株式市場で行うようになる。また内部告発が頻発し、企業の不祥事が明るみになっていく。こうしてかつてないレベルでCSRの重要性が高まってきた。企業自身も事業持続可能性を認識し、CSRを重要視するようになっている。
最後に小野講師は、CSRの国際統一規格を作る動きについても触れた。品質マネジメントのISO9000、環境関係ISO14000に続いて、CSR規格(正確には企業に限定されないSR規格)のISO26000が策定されると、日本企業も同規格に則った企業活動の展開が求められるであろうと予測した。



コミュニティーサテライトオフィス講座
愛知産業大学経営学部経営環境学科セミナー
「現実に展開する問題から国際社会を読み解く」
2008.03.04更新




「国境を越える金融問題 ─最近における米国をめぐる資本の流れについて」
講師:須賀周平(愛知産業大学経営学部経営環境学科教授)
平成19年10月20日(土)

 本学経営学部経営環境学科の教員が講師となって行う経営環境学科セミナーの第3回講座が松坂屋岡崎店内のコミュニティサテライトオフィスで開催された。「現実に展開する問題から国際社会を読み解く」という共通テーマをベースに、今回は「国境を越える金融問題─最近における米国をめぐる資本の流れについて」と題して、本学経営学部経営環境学科の須賀周平教授が講演した。
 最近の米国は巨額の経常赤字を出しているにもかかわらず、資本の流入により国際収支の均衡は保たれている。須賀教授はこうした経常赤字拡大の要因としてグローバリゼーションの進展をあげた。90年代の米企業は海外への工場移転が推進され、94年の北米自由貿易協定 (NAFTA)の施行も生産拠点を海外に移す動きを加速。さらに、対中国輸入の増加と原油価格高騰により貿易赤字が急増。最近は米国の景気減速で輸入が伸び悩む一方、海外経済が堅調で輸出増加のため、2007年の貿易赤字は縮小傾向にある。しかし、輸出・輸入両面において、長期的な赤字縮小が見込めるわけではない。というのも、経常赤字の拡大は、財政赤字や過剰消費によるところが大きいからである。 家計部門は1999年から、政府部門は2001年から資金不足に転じている。
 一方、米国への資本流入で経常赤字を上回って流入した部分は、再び海外に還流するため国際収支上の均衡を保っている。海外からの米国への投資対象としては、国債と政府機関債・社債が中心であり、海外への資金の流出は、米国での資金調達と居住者の海外投資に分けられる。海外からの対米投資については、民間が主体で、大きく証券投資、 直接投資、米銀への貸付等に分かれる。
 内外の 保有資産の構成を見ると証券投資が中心となっており、外国人の在米資産は、民間の証券投資資産 が4割を占める。 その他、中国等の外貨準備の増加に伴い、在米資産中の外国政府の比率が拡大するなど、米国証券市場への外国の影響は拡大傾向にある。さらに、対外純債務ポジションつまり、累積経常 赤字による米国の債務超過は悪化し、2001年には対名目GDP比で23%に達した。しかしその後は、頭打ちの状況となっている。その理由はドル安により、在外資産の評価額が上がったため。また、米国は唯一の基軸通貨国であるため、 基軸通貨国の純債務の積み上げがどの程度まで可能かは前例がなく、このことも対外 純債務悪化への警戒を弱めている原因である。
 米国へは経常赤字の2倍もの流入が続いていること、ドル安により純債務ポジションが頭打ちであること、所得収支は黒字が続いていること等から、今後も米国の巨額の経常赤字は続くと考えられる。 もっとも、最近では中央銀行のドル資産分散、利回り指向の動きや、中国などアジア諸国の好景気による世界的な金利上昇から、米国への資金流入にも変化が生じつつある。須賀教授は、米国の赤字体質は簡単には解消しそうもないが、国際金融市場が不安定な様相を見せる中で、赤字体質の改善が必要であると結論づけた。



思考力より試行力で経営者的感覚を磨き、
高い目標を掲げ、決してあきらめないこと。
2008.02.01更新




経営哲学特講 II 特別講師:株式会社北斗
代表取締役 小川康則 氏
平成19年11月21日(水)

 「仕事を選ぶことは、生き方を選ぶこと」など、仕事や社会人をテーマに、社会人デビュー間近な学生たちにとって貴重な話となった11月21日の経営哲学特講。講師としてお招きしたのは、一宮を拠点にエクステリア業を展開する株式会社北斗の代表取締役、小川康則氏。小川氏自身は、25歳で創業する以前は、職を転々とした経験があり、独立してからも決して順風満帆とはいかなかったが、それでも経営者として生きてきてよかったと振り返る。
 小川氏は、まず仕事選びについて、社会から必要とされているかどうかの視点で選ぶことと、自分のライフスタイルにマッチした仕事であるかどうかを考えるべきと話した。そして仕事を通じて実現したい目的をはっきりさせることが大切であり、目的意識をもって取り組むことにより、学びとなり人間力が培われる。できるだけ高い目標を掲げてそれに責任を持つこと、そして自己責任を取れるよう自らスキルアップすることが大切であると強調した。また、社会人になったら、学歴より実歴重視。経験こそが学びとなり、その積み重ねが知恵となる。実績を積み重ねることで評価につながるのである。そして自己を確立してやさしさを身につけることが大切であるが、やさしさは本能ではない。常に人にやさしく思いやりをもつ訓練を積むことで、高い次元であてにし、あてにされる関係を築いていくことができる。さらに、経営者となる場合は、思考力より試行力が必要となる。ビジョンを掲げて、自立した社員を育てることが大切だとアピールした。最後に、諦めなければ決して負けはない。目的をもって進んでいけば必ずいいブレーンを築くことができる。40歳までには、自分の生き方を見つけ、常にスキルアップしていくような人生を歩んで欲しいと結んだ。
 シンプルであたりまえのようなことだが、周りや社会を見ても、実現している人や企業は少ない。昨今の不祥事も小川氏の理念にのっとっていれば、決して起きない問題であろう。小川氏が自身の好きな言葉として紹介した「己こそ己の寄る辺、己をおきて誰に寄るべぞ。 良く整えし己こそ、まこと得難き寄る辺なり」が印象的だった。すべて自分に起こることは自分の行いや考えに起因するから、自分をまず律することが大切であるとの教えである。学生でなくとも人間として、常に振り返り、立ち返らなければならないことではある。
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夢を持って、日々の出会いを大切に
一人ひとりの希望が社会の変革につながる。
2008.01.29更新




経営哲学特講 II 特別講師:クリスタルクリエイト株式会社
代表取締役 ハラデレック裕子 氏
平成19年11月7日(水)

 11月7日(水)に行われた経営哲学特講では、クリスタルクリエイト株式会社代表取締役、ハラデレック裕子氏を講師にお招きして講演をしていただいた。ハラデレック氏は、弱冠24歳でクリスタルクリエイト株式会社を起業し、8年目を迎える。会社設立当時は、不況のまっただ中で買い手市場の折、学生は就職するためにスキルアップをしなければならないという状況の中、その問題点を解決すべく、学生向けのキャリアアッププログラムを開発。中部地区4大学で就職ガイダンスをスタートした。以来着実に評価を得ながら、現在では、大学のみならず企業向けにも人材育成や社員研修プログラムを提供し、多くの実績を上げている。
 ハラデレック氏は、最初から経営者を目指したわけではなかった。充実した高校、短大生活を送ったが、卒業後は就職することの意味を見つけることができず、日本語教師をめざして専門学校へ。しかし日本語教師になるためにはビジネス経験が必要であることを知り、とりあえず教育系の企業へ就職する。そこで中途採用であるがゆえに教育をしてもらえないという現実の厳しさを知る。その後、配属になった部署で、人間関係を学んだ短大時代の経験や人脈を活かして、大学向けに教育プログラムを開発することになった。就職する動機がみつけられずに葛藤していた自身の経験から、より学生の視点に立った内容となり、それが評価され実用化に至った。この実績がもととなり、起業へと結びついたのだ。経営者となり、組織を運営するには自分の想いを共通化しなければならないと教育理念も明確にした。経営者意識が実際の経営に追いつかず、焦りを感じた時期もあったが、ただ学生のみなさんがより良い人生を送れるように、自分のような苦労をしてもらいたくないという強い情熱で事業を進めていたと振り返る。そして、その影に自分を支えてくれた多くの素晴らしい人たちの存在があることへの感謝の気持ちも忘れない。
 最後に若いみなさんが元気であり、夢を持つことが社会そのものを元気にすること。一人一人が持っている引き出しを最大限にあけて、社会で活躍してほしいと結んだ。
 ハラデレック氏のどのようにして経営者になったかという経験談は、学生にとって非常に身近で親しみ深いものであったに違いない。失敗や悩みや、壁があるからこそ、そこに新たな学びやエネルギーや人脈が生まれる。学生たちの就職への希望や足がかりとなることを期待したい。
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人材の育成と経営理念の具現化。
企業の果たす役割がここにある。
2007.12.21更新




経営哲学特講 II 特別講師:株式会社丸竹
代表取締役 服部勝之 氏
平成19年10月24日(水)

 講義が始まる前に全員に配られた「丸愛納豆」。黄色いパッケージでよく知られているこの商品を製造している企業が株式会社丸竹である。明治20年、こんにゃくの製造・販売からスタートしたこの会社を、平成5年に父親である先代から受け継いだのが今回講師として来ていただいた服部勝之代表取締役だ。
弱冠34歳で社長に就任した服部氏は、まず“親のような年齢の社員”という壁にぶつかった。言うことを聞かない。思った通り動かない。その結果、自分自身が動かすことができる人材として、新卒採用を決断した。しかし、入社しても育てることができない。つまり、知識や技術を教えることができないのである。 教え損。この言葉が従来からの社員の間で蔓延していたからだ。
企業継続のピンチ。知識や技術を持った人々が去っていったら、知識も技術もいっしょに去っていく。服部氏の第2の決断は、ベテラン社員とコミュニケーションし、そのことを理解させ、教育を“まかせる”ことだった。「まずいところがあれば口は出す。君たちも言いたいことがあったら社長である私に言ってほしい。」なかば“そうしなければしょうがない”という状態でのスタートではあったが、裁量をある程度与えてからは新人教育がレールに乗っていった。社員は経営者のパートナー。企業継続という同じ目的を見つけられたから声に出せる言葉だった。
服部氏は、こうした意思疎通しやすい環境を中小企業のメリットとして挙げる。会社にはそれぞれ存在価値がある。通常それらは経営理念として言葉になっている。例えば丸竹の場合、「食を通じ、みなさまの健康づくりのお手伝いをします。」というのがそれにあたる。健康づくりのお手伝い、というのは、安心・安全な食品をつくり続けるという何よりの意思表示。企業の存在価値がそこから見えてくる。経営理念を、全社員の共通認識に。同じ価値観を持ち、同じ方向に歩いていくために、中小企業という器は最適なのである。
社員の成長が企業経営の基盤となる。そして、社員一人ひとりが経営理念、つまり会社の目標を理解し、実践することから会社の存在価値が形となって現れてくる。服部氏が学生たちに伝えたこの主題を裏返せば、そうしたことを語り、行っている企業を選ぶことが学生自身の未来を託すために重要であると言っているようだった。
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コミュニケーション能力を高めることは人間力を磨くこと。
学力や知識ではなく、情熱や一生懸命さが夢への近道となる。
2007.12.14更新




経営哲学特講 II 特別講師:株式会社インターナショナルエアアカデミー
副学院長 嶋田嘉志子 氏
平成19年10月10日(水)

「感動と大切な何かを求めて… 〜リーダーシップの極意とは〜」

開口一番、「みなさんが夢を実現するために背中を押したい」と、熱く語られたのは、はるばる福岡からお越しいただいた、株式会社インターナショナルエアアカデミーの副学院長を務める嶋田嘉志子氏。後期第2回となる10月10日の経営哲学特講では、嶋田氏に「感動と大切な何かを求めて…〜リーダーシップの極意とは〜」と題して講演をしていただいた。嶋田氏は、フライトアテンダントとして全日空に乗務したのち、株式会社インターナショナルエアアカデミーを設立し、副学院長として後輩の育成にあたる。スチュワーデス養成の他にも、就職セミナーや新入社員研修、管理者研修などに取り組み、多くの実績をあげている。
嶋田氏は、まず、学生一人ひとりの目を見ながら、「燃えてますか?青春まっただ中、心を熱くして夢に向かって一歩を踏み出そう」と熱く語りかけ、一生懸命さ、情熱など、机上論やマニュアルにはない大切なことを伝えたいと強くアピールした。まず、社会人としての原点であるコミュニケーション能力について指導。相手の話を聞く際には「Yes&But」の姿勢で聞くことが大切であると話した。それは、まず積極的かつ前向きに相手を受け入れた上で、自分の中で咀嚼することを意味する。さらにメラビアンの法則について説明し、人の印象は見た目が55%、声のトーンが38%、わずか7%が言葉からの情報であり、言葉以外のノンバーバルコミュニケーションが非常に重要であるとアピールした。つまり、コミュニケーションにおいては、話す内容以前に服装やマナーはもちろん、顔の表情や態度などが相手に非常に大きな影響を与える。だからこそ、「前向きな姿勢」や「熱意」や「自信」を持って日々過ごし、人間力を磨くことが大切と訴える。
挨拶、笑顔、身だしなみ、言葉づかい、態度の基本5原則を100%実行するよう促し、笑顔についてはウイスキースマイルを学生に実践指導。嶋田氏のかけ声に合わせて、学生も実際に声を出し、生き生きと笑顔を作った。
嶋田氏は自身の失敗の体験を話し、失敗は一歩を踏み出した証拠だから、恐れずに進むこと。どんなことがあっても諦めずに、自分を信じて夢を実現して欲しいと、まるで家族のように温かく、厳しく語りかける。
嶋田氏が話されたことの中に、難しいことは何もない。しかし嶋田氏もおっしゃるように「知っていることとやれることは違う」のだ。必要な場所のみで実践するのではなく、習慣として身につけることではじめて人間力が磨かれていく。最後に「心は行動なり。その行動は習慣を作り、習慣は人としての品格を作る。その品格は、あなたの運命を決す」と結んだ。職業や立場など関係なく、人として強く心に刻みたい感動的な語りかけだった。

若者の品格を磨く時間で会って欲しいと願いを込めて、一人ひとり目を見てメッセージを伝えた。
心に届いたかどうか。届きますように。
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平成19年度市民カレッジ大学開放講座
「知っていますか?こんな話」
2007.11.08更新




« 開講講座一覧

平成19年9月22日(土)
第4回「数学者という生き方について−数学者逸話集−」
愛知産業大学経営学部 木村秀幸准教授

 「知っていますか?こんな話」をテーマに、法律・経営・歴史など様々な分野を取り上げる市民カレッジ大学開放講座。その第4回目が平成19年9月22日(土)に本学4号館にて開催された。今回は経営学部の木村秀幸准教授が、数学者矢野健太郎氏の人生に焦点をあてながら「数学者という生き方について〜数学者逸話集〜」と題して講演を行った。
 矢野健太郎氏は、明治45年3月1日生まれ。小学校5年生のとき、「本当の意味を理解できる人は、世界中を探しても数人しかいない」と言われていたアインシュタインの相対性理論の噂を聞き、数学に興味を持ち始めた。矢野氏の想いは次第に高まり、「将来、アインシュタインと相対性理論について語り合える人間になりたい」と話すまでになったという。その後同氏は、厳しくも優しい父親の励ましや、恩師である高藤太一郎先生との出会い、東大入学からフランス留学を経て、ついにはアインシュタインが所属するプリンストン高級研究所に迎えられることになる。矢野健太郎は幼い頃からの夢を叶えたのだ。木村准教授はこの話を自身の経験と重ね合わせ、好きな数学者と出会うことで数学が好きになる。数学者というと内向きなイメージがあるが、彼等にとっても「自分の為だけに生きないこと」「日々の出会いを大切にすること」が非常に大切だと語った。
 また、講演の終わりには質問タイムが設けられ積極的な意見交換が行われた。参加者からの若者の数学離れを憂慮する声に対して木村准教授は、数学教育は他の教育に比べてなかなか国の援助を得られないという現状がある。教員としては、少しでも多くの学生・生徒に数学を好きになってもらえるよう努力していきたいと説明した。制限時間いっぱいで終了した今回の市民カレッジ。細かな質問に対して、ひとつひとつ丁寧に応える木村准教授の姿に、参加者はひとりの数学者の生き方を見たのではないだろうか。




コミュニティーサテライトオフィス講座
愛知産業大学経営学部経営環境学科セミナー
「現実に展開する問題から国際社会を読み解く」
2007.10.19更新




「諸外国における企業組織再編と労働者保護 ─事業譲渡を中心として」
講師:三田村 浩(愛知産業大学経営学部経営環境学科講師)
平成19年9月22日(土)

 目の前で展開する様々な問題。それら一つ一つから国際社会を読み解くための基礎的な知識を伝えることを目的に、経営学部経営環境学科の教員たちが講師となって経営環境学科セミナーが松坂屋岡崎店内にあるコミュニティサテライトオフィスで開催されている。2回目となる9月22日(土)は、労働法やビジネス法を専門とする三田村 浩講師により国境を越える労働問題についての講義が行われた。テーマとなったのは、昨今多く見られるようになったM&A(企業買収)によって事業譲渡が行われた際の労働者の承継について。日本、EU、アメリカ、それぞれの解釈の違いを明らかにしながら問題点を追究していった。
 労働者保護の規定がなく、立法化が不必要とされる日本では、学説として事業譲渡の際に労働者もセットで承継する「当然承継説」、原則として労働者もセットで継承すべきであるが、当事者企業の合意により特定労働者の排除が可能とする「原則承継説」、当然承継するとは考えず、当事者企業の合意によってはじめて承継する「当然承継否定説」の三つに大別される。裁判においては、整理解雇の際に求められる4要件(解雇の必要性、解雇の回避努力、人選の合理性、事前協議の履行)に該当してはじめて解雇が可能となっている。(ただし、近年はこのうちの2〜3要件を満たしていれば解雇可能となる傾向が見られる。)この判例法理は、この問題を含めた解雇権の濫用をある程度防ぐ役割を果たしているのである。
 諸外国に目を向ければ、EUにおいては当然承継、イギリスも労働者の雇用は自動的に譲受人に承継する。逆にアメリカでは規制が存在しておらず、解雇自由の原則がいきづいている。ただし、近年においては労働者の再就職を最大限に配慮しながら進めるタイプのM&Aや雇用を維持できなくなった労働者に対して企業の経費で再就職を支援するケースなど、変化も現れている。
 利益を最優先する企業の論理で進むのではなく、立場の弱い労働者の視点でこの問題を考えるべきと語る三田村講師は、研究を続けながらこの問題における労働者の当然承継の法律関係を構築していきたいと強く語った。



平成19年度市民カレッジ大学開放講座
「知っていますか?こんな話」
2007.10.09更新




« 開講講座一覧

平成19年9月1日(土)
第1回「情報・今昔物語〜情報システムは昔からあった〜」
愛知産業大学経営学部ビジネスマネジメント学科准教授 石井泰幸

仁の心。これからの情報伝達のキーワードが、ここにある。

 岡崎市教育委員会、並びに岡崎市内にある4大学が共同で主催し、興味あるテーマを分かりやすく解説する市民カレッジ大学開放講座が、今年も松坂屋岡崎店内にあるコミュニティサテライトオフィスで開催されている。本学は9月1日から10月6日までの毎土曜日、「知っていますか?こんな話」をテーマに法律・経営・歴史など様々な分野の情報や知識を市民の方々に知ってもらおうと開講。第1回は経営学部ビジネスマネジメント学科の石井泰幸准教授が「情報・今昔物語〜情報システムは昔からあった〜」と題して講演を行った。
 まず、石井准教授は日本の情報システムは使用料金の安さ、情報伝達する速さなど、世界一の環境を誇っていると語る。ただし、これは都市部の話で採算性、地理的な問題などで情報格差が生じているのも事実であると言う。  こうした情報システムの仕組みの源泉をたどると、例えばホームページは回覧板であり、電子メールは手紙であるという具合に、いままであったものと用途は変わらない。原始時代は食料を確保して生きるために、武士の時代は国を守るために必要であった情報を、基本的にはずっと人が伝えてきたわけである。現在、コンピュータネットワークを使って情報を伝達すること、それは時間的な制約から人を解放したことに非常に大きな意義があると石井准教授は分析する。
 速くて、便利な情報システムをもっと有意義なものにしていくためには何が必要なのだろう。石井准教授は、ますます高度化することと反比例するかのように、真の気持ちは伝えにくくなると言う。そのために、論語の一文を挙げた。仁、つまり家にいるときは恭しく、仕事を行うときは慎重に、人と交際するときは誠実にすることが情報のやりとりにも必要であると語る。道具としてさらに進化していく情報機器を使い、仁の心を持って情報交換を行う。情報システムの次代を切りひらくヒントがここにあるようだ。




環境整備により無駄をなくし効率化を実現。
基本の励行こそが、人間力、企業力をアップする。
2007.09.20更新




経営哲学特講 II 特別講師:株式会社ヨシノ印刷
代表取締役 吉川正敏 氏
平成19年7月4日(水)

 「印刷の原点は活字にある」。ここ数年めざましいスピードで発展を遂げた印刷技術を振り返り、そう語られたのは7月4日(水)の経営哲学特講で講師にお招きした、株式会社ヨシノ印刷の代表取締役吉川正敏氏。吉川氏は印刷会社を営む家庭に生まれ、現在は2代目社長として采配をふるう。印刷業界は、一昔前は活版印刷が主流だったが現在は平版印刷が中心。最近ではパソコンによって簡単に編集作業が可能になり、ネットワークを使ってさまざまなことが可能になった。さらにCTP(Computer to Plate)印刷の採用により、フィルム出力の工程を省略し、短納期や低コストを実現している。しかし吉川氏は、一字一字活字を拾う活版印刷は、印刷が生きていて温もりがあったとかつてを振り返る。
 吉川氏は以前参加したあるセミナーで、経営コンサルタントより環境整備の話を聴き衝撃を受けた。その話によると、儲かっている会社は明るい。まず社内を明るく2000ルクス以上にすべきとのこと。早速、社内の蛍光管をすべて新しいものに変えた。すると、工場や社内の汚れが目についた。明るくすることの目的は汚れを目立たせて、掃除および環境整備を徹底して行うことにあった。吉川氏はその年の8月5日に1日かけて大掃除を実施。その後は毎朝8時30分から9時まで清掃を継続。もちろん社員の中には仕事を優先させるべきとの不満の声もあったが、その都度理解を得るようにした。その結果、大量のゴミが発生し社内は驚くほど綺麗になった。以前はお客様から預かった写真や原稿が毎日のように紛失し、ものを探すことも日常茶飯事だったのが、環境整備のおかげでそういったことはすべてなくなったという。社内のすべてのものが整理され、きちんと片付けられていて紛失がないため、無駄もなく作業の効率化につながったと誇らしげに話した。
 最後に学生に向けて、五日市剛氏が提唱する「ツキを呼ぶ魔法の言葉」を紹介。魔法の言葉とは、「ありがとう」「感謝します」の2つ。悪いことが起こったら「ありがとう」。いいことが起こったら「感謝します」というように使い分けて唱えるだけで、みるみる運がよくなるという。
 環境整備にしても、魔法の言葉にしても、決して特別のことではなく難しいことでもない。しかし、人は時として「当たり前にしなければならない」ことを疎かにしてしまいがちだ。便利で平和な世の中にあっては、なおさらのこと、つい物事に優先順位をつけたり、私利私欲に心を奪われてしまう。身に覚えがあるが、吉川氏にならって戒めたい。
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7代目の挑戦と努力により目標達成を実現。
取り組む意識と姿勢が成功の鍵となる。
2007.09.10更新




経営哲学特講 I 特別講師:峰澤鋼機株式会社
取締役社長 峰澤彰宏 氏
平成19年6月27日(水)

 学ぶという気持ちや姿勢は、偉大な先生や有名人から指導されること以上に、実際に見たり、聞いたりする自分自身の姿勢や感性が何より大切である。そんな話からはじまった6月27日の経営哲学特講は、岡崎を拠点に工場用機械器具を販売する峰澤鋼機株式会社の取締役社長峰澤彰宏氏をお招きし、「7代目の創業」と題して講義をしていただいた。
 ニュートンや小野東風を例に出して話された冒頭の話は、峰澤氏自身が日頃から大切にしていることであり、何事にも積極的に取り組む姿勢を大切にすることを提言し、学生に向けてこの講義から何かを学び取ってもらいたいとアピールした。
 峰澤氏は、自身を振り返り、たまたま家業を継承して7代目社長となったが、その環境を生かすも殺すも自分自身。跡を継ぐことに誇りとプライドを持って社長業に取り組んできたと話す。目標や夢をどこに置いて、どう考えていくかによっては、敷かれたレールを歩んでいくことは恥ずかしいことではなく、むしろそれを財産として活かし、より新しいことにチャレンジすれば、さらに発展させることができると断言。実際に峰澤氏は、社長就任当時、社員60名、年商50億であった規模を、社員100名、年商100億の会社へ成長させることを目標に掲げて、さまざまな挑戦をしてきた。その結果、本年創業139年にして年商100億を超える見通しであるため、みごと目標を達成したことになる。これは、メイン顧客がトヨタ自動車であり、お客様へのサービス向上を第一に考えた営業展開により、営業所拡大、海外拠点の設置などに積極的に取り組んできた結果だという。しかし、多くの意志決定の場面にあっては、常に慎重によく考え、最善を尽くしてきた。そうした経験から峰澤氏はどんな局面にあっても、結果は自分自身が作っていくものであるから、自分自身の責任において真剣に考え、確固たる決意で取り組むことの大切さを説く。峰澤氏自身が好きだという「天気と過去と他人は変えることはできないが、自分と未来は変えることができる」という言葉を挙げ、会社や仕事を変えることは難しいが、仕事に対する意識や取り組み方は変えられる。従って、自分で決めて入った会社で、自分が立てた目標を達成できなければ、辞めて次の会社に行っても決してうまくいかない。どんな職場でも目標を達成できるまでやり通すこと。そうすれば次に転職しても自分の人生を広げていくことができるとアドバイスした。
 ホノルルマラソン完走の経験やパンダ保護協会にも所属する峰澤氏は、学生に向けて、やりたいと思ったことに積極的に挑戦して欲しい。挑戦するからにはつらいこともあるが、それを我慢したり、乗り越えることが重要。目標を掲げて、それに向かって努力することの大切さを実感して欲しいと締めくくった。
 与えられた環境を財産に変えるか否かは、自分自身の意識や取り組み方次第。それは人生においても、またビジネスの世界においても成功を決める重要な鍵であることに改めて気づかされた。
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伝えなければ伝わらない。
コミュニケーションを通して、会社と社員を育てる経営。
2007.07.26更新




経営哲学特講 I 特別講師:有限会社菅原工務店
代表取締役 横田 長 氏
平成19年6月20日(水)

 土木・建設業を営む家に生まれ、東名高速道路の建設景気の波に乗って社業が発展する中、社長の息子ということでちやほやされて育った。そう語るのは現在、有限会社菅原工務店の代表取締役として活躍している横田 長 氏である。そんな恵まれた状況が激変したのは昭和60年のこと。お父様が急逝されて、会社も閉鎖。突然借金だけが残された。豊田工専を卒業した横田氏は昭和62年に土木・建設を請け負う企業に就職。1年後、家業を建て直すべく菅原工務店に入社して、借金を返すため、また、家族を養うために現場で仕事を人一倍やり、休みも取らず働いたという。平成に入り、現場だけでなく営業、さらには運営全般を見るようになっても、自分がやらなければ誰がやる?としゃにむに働く日々が続いた。
転機は平成8年、体調を崩し1ヶ月間入院した時にやって来た。毎日会社の状況報告が入るが、いたって順調とのこと。自分がいなくても会社は動くことに気づいた。現場で作業をすることが仕事をしていることだという勘違い。一人だけで突っ走っても、後が付いてこなければ限界がある。だからこそ社長に就任後、幹部候補を集めて自分の考えや方針を伝えた。すると、はじめて考え方がわかりました、という社員の方々からの言葉。背中を見てついてこい、というのは経営者の独りよがりで、しっかりとコミュニケーションする必要性に気づくとともに、経営者だけの会社ではなく、経営陣をつくりたいと思ったのはこの時だった。
 現在、菅原工務店ではコミュニケーションを活発にするため、様々な具体策がとられている。月に1回の全体会議。作業予定表に添えられた“社長の伝言板”コーナー。それらは少しでも社長の考えや方針を社員の方々にわかりやすく伝えようという現れである。全員に対してコミュニケーションする一方、現場の長への教育も強化し、会社の方針に沿った行動を促すことにも着手。経営指針書の作成を含め、社内のあらゆる層に意志を伝えることに横田氏は全力を傾ける。
会社の目標を社員全員と共有する。その上で会社と社員がいっしょに育つ。横田氏の理想型は、いま着実に形になろうとしている。
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経験と努力でステップアップ。
技を愛し、誇りを持って伝統技術を継承。
2007.07.23更新




経営哲学特講 I 特別講師:松井本和蝋燭工房
松井規有氏
平成19年6月6日(水)

 6月6日の経営哲学特講 I では、岡崎市内で明治40年の創業以来続いている和蝋燭工房を営む松井規有氏を講師にお招きして講演をしていただいた。はじめに、2003年に中村勘三郎主演のトーク番組に出演した時のビデオを上映。江戸歌舞伎誕生以来400年を記念して歌舞伎を紹介する中で、当時使用された和蝋燭をクローズアップ。松井氏が出演して本和蝋燭の製作実演を行ったもので、伝統の和蝋燭の制作過程を映像で見ることができ、学生も熱心に見入っていた。
 伝統の本和蝋燭は一本一本手作りで製作する。原料はハゼの実を搾った液から採取した木蝋と、イグサ科の燈芯草のズイを取り出したもので、すべて天然素材で環境に優しい。一方、型和蝋燭は硬化油やヌカワックス、合成蝋、パーム油や、化学物質などを使用。現在市場に出回っているもののほとんどが型和蝋燭といわれ、手作りではできないという。
 松井氏は家業を継ぐ以前に、製薬会社に就職。そこで、危険物取扱者や有機溶剤作業主任者の資格を取得したほか、化学分野への理解を深めると同時に組織で働きながら多くのことを学んだことが、和蝋燭職人の仕事にも大いに役立ったと振り返る。その熱心で勤勉な姿勢は今も変わらず、和蝋燭の制作の傍ら図書館に通って文献を調べ、ホームページで紹介したり、京都の「私のしごと館」でも和蝋燭の工程ビデオを教材として提供するなど、伝統芸術の啓蒙活動に余念がない。そして本学デザイン学科の学生とのコラボレーションも実現。佐藤延男教授の指導のもと、若い人たちにもっと和蝋燭の良さを知ってもらおうと「本物をカジュアルに」をコンセプトに商品化した。その名も「蝋燭物語」。和蝋燭とともに材料や蝋燭立て、制作工程や魅力を説明したパンフレットをセットにしてパッケージングした。さらに松井氏は「蝋燭物語」の商標登録もプロの手を借りずに自ら動いて実現。まさに努力の人である。松井氏は、何事も経験を積むことが大切。学びの姿勢を忘れずに、目標を立てて、ワンステップずつ階段を上がっていけば必ず成功する。失敗も特に若いときなら、大きな糧となるので、失敗を恐れずチャレンジして欲しいと学生にアピールして講義を締めくくった。
 伝統の技を継承していくためには、地道な努力とともに、時代にフィットしたアイデアや企画も必要になる。そして何より仕事を愛し、誇りを持つことが、努力への大きなエネルギーとなることを、松井氏のお話から学ぶことができた。
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夢と情熱を持って地域おこし。
行政が仕掛け人となって、まちづくりを推進。
2007.07.18更新




経営哲学特講 I 特別講師:元額田町長
鈴木啓充(ひろよし)氏
平成19年5月23日(水)

 「創造たくましく、夢限りなく」をモットーにふるさとの発展に尽力し、岡崎市との合併とともに多くの実績を残した元額田町長の鈴木啓充氏。5月23日に行われた経営哲学特講 Iでは、鈴木氏を講師にお招きし、額田町長時代に取り組んだふるさとづくり、まちづくりについて講義をしていただいた。
 平成18年に岡崎と合併した旧額田町は人口約1万人、岡崎の3分の2の面積を占め、約90%が森林地帯である。鈴木氏は山村や清流など美しい自然を守り、安らぎや癒しの空間を都市部の人たちに提供することが額田地区の使命であると考え、合併以前より夢と情熱を持ってまちづくりにチャレンジしてきた。その最初の取り組みが他の自治体でも珍しい「まちづくり課」の設置。専属の担当課を設けて、行政まかせ、他力本願の住民の意識を変えることからはじめた。わが町に愛着を持ち、住民ひとり一人が主役となってまちづくりに取り組むことができるよう、行政が仕掛け人となった。地域グループのリーダー養成にはじまり、行政の職員が住民の目線に立って積極的に活動。その結果、人口1万人の街に、住民グループが35団体できた。中でも2つの団体の取り組みが、NHKの番組「クローズアップ現代」でも取り上げられ、注目を集めた。一つは町役場の裏手にある広さ100ヘクタールの「おおだ山」への植樹活動だ。平成13年以来、ボランティア団体「山留舞会(やるまいかい)」を中心に、桜とモミジを植え続けている。数年後には美しい山に育ち、近い将来誕生する第2東名インターチェンジから一望できるという構想だ。もう一つは、千万町(ぜまんちょう)の茅葺屋敷の交流拠点化活動。築300有余年の古民家を改修、保存し、運営組織「じさんじょの会」を立ち上げて、農業体験などのイベントを行っている。
 鈴木氏は、どこの地域にもすばらしい自然や文化、歴史という財産がある。財政難の今こそ、無い物ねだりはやめて、地元の財産を掘り起こし育てていく地元学が必要であると訴える。また、子どもたちに向けても、ふるさとに愛着を持ち、ふるさとを知ることの大切さを教える教育に力を注ぐ。ふるさとの味や温もりに育てられた経験があれば残酷な事件は起こらないと力を込めた。最後に学生に向けて、夢を持って、創造をたくましくしていれば、必ず何かが見つかるとアピールした。まちづくりも一つの経営モデルである。トップ自らが、夢と情熱を持って、さまざまな仕掛けをし、多くの人の共感や想いを引き出すことが大切であると気づかされた。
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緻密な分析とITの積極活用で、
自社の強みを生かした経営戦略を実現。
2007.06.25更新




経営哲学特講 I 特別講師:株式会社蒲郡製作所
代表取締役 伊藤智啓 氏
平成19年5月9日(水)

 5月9日(水)に行われた、今年度最初の経営哲学特講では、株式会社蒲郡製作所代表取締役 伊藤 智啓氏を講師にお招きして講義をしていただいた。タイトルは「精密部品加工が大好きだ〜10年後には、オンリーワン〜」。同じタイトルで社長ブログを発信しているという伊藤氏に、情報発信の重要性とコアコンピタンス(他社と差別化できる強み)を生かした経営について熱く語っていただいた。
 蒲郡製作所は昭和29年の創業で、伊藤氏は2代目社長となる。少量、多品種を得意とする精密機械器具部品製造業を営み、HPやブログを使った情報発信により、ここ数年めざましい業績を上げている。HPや名刺に掲げられた「超精密サプライズ加工」というキャッチフレーズは、単なる顧客満足度の向上にとどまらず、顧客を驚かせ、感動を呼ぶ加工を目指す伊藤氏の意気込みの現れでもある。社長就任以来、一貫して社員と共に育つ経営を実践し、社員を最も信頼できるパートナーと考えて、経営者と従業員が一体となって経営理念の実現をめざす。一昨年、経営革新計画として5ヶ年計画を愛知県に提案し、県知事承認を受けた。これも従業員のベクトルを合わせのための取り組みの一つという。また、情報発信やお客様との取引にインターネットやブログなどITを巧みに活用し、平成16年度、18年度と IT経営100選にも選定されている。さらに、自社のコアコンピタンスを確立した上で問題を解決していく経営戦略を実践。そのためのSWOT分析において、伊藤氏は他社へのヒアリングや、中小企業白書、ものづくり白書などから有益な情報を入手したり、HPを作成し自社の情報発信をしながら顧客からの情報収集を行うなど、積極的な方法で自社の強み、弱み、市場をきめ細かく分析。その結果、より強みを生かした経営戦略を実現している。創意工夫と新しい技術の習得を心がけ、こだわりのあるモノづくりを続けるという経営理念を社員とともに実践し、座右の銘「鶏口牛後」の通り「小さくてもキラリと光る会社」をめざす伊藤氏。今後は技術力に加えて提案力を向上させていきたいとビジョンも明確だ。
 多くの企業が、ともすれば数字ばかりにとらわれがちになるが、緻密さや時代を読む能力、なによりリーダー自ら自社の事業に強く惚れ込むことが、企業を変えていく原動力になると感じさせられた。
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女子柔道部が東海学生女子柔道優勝大会にて3連覇を達成! 2007.06.20更新


 5月13日に愛知県武道館で行われた第14回東海学生女子柔道優勝大会において、本学女子柔道部が一昨年、昨年に続いて3連覇という快挙を成し遂げた。出場したのは、経営学部4年の五月女季美子さん、同じく梅原瑠里子さん、3年生の船越亜美さん、同じく江口めぐみさん、2年生の田口雅恵さん、同じく山口裕子さんの6名。五月女さん、船越さんは優秀選手賞にも選ばれている。
 3連覇という輝かしい成果を残したにもかかわらず、選手たちに笑顔はなく、もっと差をつけて余裕で優勝したかったという後悔が感じられた。選手全員が今回は一段とプレッシャーを抱えての出場だったという。なぜなら、昨年の全日本学生女子柔道優勝大会での優勝の実績が、東海大会では「楽に勝ててあたりまえ」というムードを作り出していたからだ。確かに、実力からすれば余裕をもって3連覇できて当然だったのかも知れないが、こうしたプレッシャーが、本番での実力を妨げてしまったのかも知れない。主将の五月女さんは、実力に甘んじてはいけないが、一人ひとりがもっと自信をもってぶつかっていけばよかった。必要以上に力が入りすぎたり、あせったりする場面も多かったと振り返る。全体的に組んでからの攻めが遅いので、機敏な攻めができるような練習をしていくことが必要という。
 失点があったとはいえ、3連覇はすばらしい成績だ。それは日頃の厳しい練習はもとより、チームワークのよさが功を奏したと言える。鈴木香監督も、全体的に勝たなきゃという気負いがあった。精神的な弱さが出て、まわりに頼ってしまったり、思いきりのなさが目立ってしまった。3連覇に満足しないで、次に向けてがんばって欲しいとハッパをかけた。4月から新1年生が加わりメンバーも充実してきたので、今年の全日本学生女子柔道優勝大会では、5人制に挑戦するという。メンタル面をより強く鍛え、次なる目標へ邁進してもらいたい。



コミュニティーサテライトオフィス開講講座
愛知産業大学経営学部経営環境学科セミナー
「くらしのなかの経済学」
2007.02.26更新




第6回 12月16日(土) 講師:木村秀幸助 教授
テーマ「経済学の道具箱-数学 ある数学者の生涯を通して考える」

数学研究に限らず、深い理解をもとに探求することが大切である。

 今年度最終となる第6回の経営環境学科セミナーでは、本学経営環境学科の木村秀幸助教授が「経済学の道具箱-数学 ある数学者の生涯を通して考える」と題して講演を行った。木村助教授は1人の数学者の生涯を追いながら、数学を研究することの意味や、発見はどのようにして起こるかなどについて考えたいと話した。
 明治34年に大阪で生まれた数学者岡潔(おか きよし)。少年時代は、父方の祖父岡文一郎から「人を先にして自分を後にせよ」と厳しく教えられるなど、大きな影響を受けた。小学校時代は蝶の採集に、また中学校時代はテニスや数学の問題に熱中した。本当は数学科志望であったが、高校時代に来日したアインシュタインの影響で京都大学の物理学科へ進学した。大学1年の3学期の試験に出題された難問を解いたことが転機となり、数学に貢献できる自信を得て数学科に転科。難問が解けたとき、岡先生は喜びのあまり「できた」と叫んでしまったという。数学科を卒業した岡先生は京都大学の講師に就任する。当時学生だった湯川秀樹氏、朝永振一郎氏は、岡先生の授業を、情熱が学生に伝わる魅力的な講義だったと評している。その後フランスへ留学し、多変数函数論という分野の研究をはじめたが、全く成果が得られない日が長く続いた。しかし、ある日突然問題解決の方法が閃き、問題を解くことができた。このときの発見にも大きな喜びが伴っていた。このように岡先生は生涯にいくつもの発見を経験しているが、発見には大きな喜びを伴うインスピレーション型の発見と、冷静な中で物事が判明していく情操型の発見という2つの型があると話している。
 岡先生の数学研究に関連して、木村助教授は数学研究の方法には(1)すでにある論文の一部を少しだけ変えて論文を書く方法(2)すでにある論文の内容を十分に理解し、発展させて論文を書く方法(3)すでにある論文を繰り返し読み、そこから連想されるものを題材にして論文を書く方法の3つの方法があると解説。最も平易なのは、(1)の方法で、最も難しいのは(3)の方法である。岡先生はフランス留学中に(1)の方法で論文を書いて指導教官に叱責を受けたが、彼はそれを幸福な門出ととらえた。戦中戦後の困難な時代にも岡先生の研究は継続され、ついに多変数函数論の3つの難問を情操型の発見により解決した。この業績により、昭和35年文化勲章を受章。多変数函数論の分野を独力で切り拓いた岡先生の功績は大きいと評する木村助教授は、岡先生の数学研究を通じて、良い研究の方法、発見のすばらしさについて学ぶことができると結んだ。
 結局数学に限らず、例えば経済問題についても、家庭の経済から社会の経済まで、岡先生の研究精神に学び、表面的な解決ではなく、深く探求していかなければならないということを教えてくれたのではないだろうか。受講者も興味を持って聞き入っていた。

 平成18年度の経営学部経営環境学科セミナーは6回すべての講座が終了し、5回以上の講座に参加した受講者21名に修了証が贈られた。最後に経営環境学科長である瀬川博義教授の代理として、阿部雅俊教授があいさつをした。3年間にわたって行われてきた本学経営学部経営環境学科セミナーも一区切りとなるが、可能であれば今後も続けていきたい。岡崎市民のみなさんとのコミュニケーションを大切にしたいと話した。



コミュニティーサテライトオフィス開講講座
愛知産業大学経営学部経営環境学科セミナー
「くらしのなかの経済学」
2007.02.26更新




第5回 11月18日(土) 講師:広羽孝清 教授
テーマ「失業はなぜ生じるか」

完全雇用の実現のためには、
意識教育と安定した雇用システムの構築が必要。

 バブルが崩壊し、失われた10年の間に失業率が増加。景気が好転し、失業者が減少した今でも雇用不安は消えず、非正規雇用者の数は増加し続けている。第5回目の経営環境学科セミナーでは、本学経営学部の広羽孝清教授が「失業はなぜ生じるか」をテーマに講義を行った。広羽教授は、失業の原因として日本の経済社会の流れをあげ、一つはグローバル化が進み、人や物やお金が国境を越えて移動するようになり、競争に負ける企業がでてきていること。もう一つは少子高齢化により、これまでの経済規模を保つことが困難になっていること。この2つの流れによって失業が増加傾向にあると分析する。最近では、こうした経済危機を過去に生きてきた高齢者のせいにして、自分だけが楽しめばよいとか、自分だけの夢を追って正規の仕事に就けない人が特に若者に多く見られるが、そうではなく、現実を直視し、一人ひとりが主体的になって一国経済や一国社会とのつながりを考えていく意識教育が必要であると話した。
 日本の若者の高失業率の原因の一つに、IT化が進んで第3次産業であるサービス部門の比重が高まり、企業の求める人材と若者の希望がかみ合わないことがあげられる。特に、最近増えているニートは理想を実現できずに、社会に出るチャンスを逃していると考えられる。ニートに対しては、力のある人の助けによって社会に復帰させることが必要。失業者の中でも働きたいが企業の雇用がないために働けないという非自発的失業に対しては、一国社会全体の総需要を高める政策が必要である。このことを広羽教授はケインズ経済学によって説明。一国社会全体の総需要すなわち、財やサービスの購入が少なければ、それに見合った生産が十分に行われないために完全雇用は実現しない。総需要が増え完全雇用を実現するための政策として、金利の引き下げや貨幣供給量を増加する金融政策が有効であると説明した。
 最近パートやアルバイト、契約社員など多様化した雇用形態が増えているが、正規の労働者との間に所得格差があるなど、失業が解消されたとしても労働者の不安は解消されない。今の日本には労働者の安心を回復し、安定した雇用システムの構築が必要。そのためにはワークシェアリングや雇用を提供する中小企業や自営業者、ベンチャービジネスの支援などさまざまな対策が求められていると締めくくった。広羽教授の話にもあったように、競争原理の結果、勝ち組、負け組など格差問題が深刻化しているが、一人勝ちとか、弱者を切り捨てるような考えではなく、競争に勝った人が、弱者を助けるという哲学を社会に植え付けていく必要があると考えさせられた。



経営学部講演会2006
組織に命を吹き込む!会社が本気で元気になるために
2007.01.29更新


11月18日 日本経済新聞社名古屋支社
主催:愛知産業大学経営学部
後援:日本経済新聞社 名古屋支社広告部

第1部基調講演
「現場重視の再生と成長」
講師:浜田 宏氏 株式会社リヴァンプ 代表パートナー

 2005年、「刷新する」「立て直す」という意味を持つ言葉を社名とした株式会社リヴァンプが設立された。この企業が注目を集めているのは、まずその中心となったメンバー。ユニクロを展開している株式会社ファーストリテイリングの代表取締役社長であった玉塚元一氏、同社副社長の後、株式会社キアコンを設立した澤田貴司氏が立ち上げ、デルコンピュータ株式会社(現デル株式会社)の代表取締役社長およびアメリカ本社副社長であった浜田宏氏が2006年に参画。現場重視の企業出身の人々が企業再生を手がけるとあって、その活動に大きな期待が寄せられている。
 会社を芯から元気にするために、経営陣を送り、資本参加までして自らリスクを負い当事者として再生に挑むというリヴァンプの企業再生のメソッドを浜田氏に語っていただいた。

企業再生・再成長に欠かせない条件とは?
 単なる財務諸表上の整理ではなく、社員が芯から元気になるような本質的な改革をもたらし、大きな成長をもたらす。浜田氏は、リヴァンプ流企業再生・再成長に欠かせない条件をいくつか挙げた。
第一に、ロードマップ作り。いつまでに何をするのかを考え、実行可能な再生計画を作る。ステークホルダー全員の利害を一致させ、手を握り合うことが重要である。第二に、ビジネス改革以前の問題として、オーナーや意志決定者の再生に向けた覚悟、負の資産処理、そして新体制が力を発揮できるガバナンス。こうした“建て付け”をしっかりする必要がある。第三に、正確、かつ冷徹な現状認識。企業が手掛けてきたビジネスの最も重要なものは何であるのかを徹底把握する。多くの場合は、うまくいっていない会社は商売の本質を見失っているからである。そしてスピード重視。浜田氏は3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月が勝負となり、最初の3ヶ月にとにかく現場に入り社員や顧客から話を聞くことが重要である。
 また、「人間力」も重要。うまくいっていない会社は、社員間、部署間、経営陣と現場など、社内に多くの壁が存在している。新しく入った経営陣が、コミュニケーションの場をつくり、社員の心の壁を落とすことが重要である。

リーダーに必要な力とは?再生を可能にする企業風土とは?
 では、具体的にはどのようなチームを作ればいいのか。当たり前のことだが、基本的なことをしっかりと把握していて、問題をわしづかみできる人材である。「お金ではない。この会社の再生・再成長に人生を捧げたい」という志をもったサムライが必要。これをやらせたら誰にも負けないという“業界の匠”やプロパー社員の中から抜擢できるヒーローやヒロインを見つけ出し、組み入れることがポイントで、時には外部人材を戦略的に起用する。
 リーダーの資質としては、「心・技・体」が求められる。まず意志の力、正義感、広い心を備えた“人間力(心)”、本質を理解する力、数値・データを理解する力、コミュニケーション力などの“スキル(技)”、そして、成功体験や自分としっかり向き合うチャンスとなる失敗体験といった “強烈な体験(体)”である。
また、成功へと導いていくためには、企業風土も重要な役割を担う。大切なのは、正しく、速く意志決定し、実行する仕組みづくり。例えば、会議の整理や、帳票の整理も行う。このような企業風土の再構築もリーダーの育成とともに急ぐべきだと言う。







第2部パネルディスカッション
「組織活性化による企業再生・成長」

パネリスト  浜田 宏 氏 株式会社リヴァンプ 代表パートナー
上總康行 氏 京都大学大学院経済学研究科教授/
       公認会計士試験委員
箕浦 晃 氏 サンビジネス研究所代表/中小企業診断士
コーディネーター  堀井悟志 愛知産業大学経営学部専任講師

時に、衰退事業はビジネス・チャンスになる。
 勝ち組と負け組。企業間の競争においてよく使われるこの言葉は、いま、そのまま企業の存続に結びついている。社業が傾けば何をしなければならないのか。また、どうすれば企業は再生できるのか。第2部では3人のパネリストに、それぞれの知識、経験をもとに語っていただいた。
 京都大学大学院の上總教授は「事業再生と新事業戦略」というテーマで話を展開。事業や商品のライフサイクルで衰退期を迎えた場合、処分して撤退するのか、経営資源を新事業へ投入するのかを経営者はまず的確に判断することが重要であると言う。コニカミノルタの事例では、衰退期となっていたカメラ事業をソニーに売却し、そこで得た経営資源をコニカミノルタの戦略事業である情報機器事業に投入。また、ソニーにとっても参入していなかった一眼レフ分野においてコニカミノルタの「α」シリーズを継続販売していくという、ブランドの受け継ぎが実現できた。また上總教授は複写機のメーカーであった三田工業をM&Aによって取り込んだ京セラにもふれ、経営破綻した企業の技術・商品力を活かし、アメーバ経営のもとV字回復を果たした多角化の成功例を紹介した。

現場とトップとの信頼関係が、再生への道を開く。
 業績不振の企業が再生していくためには、まず経営者の事業に対する強い信念と執念が必要であると語るのは箕浦氏。時には経営者が自らの夢をあきらめてまで事業継続を望む姿を見せることが、トップへの信頼度を高めることにもつながると言う。そして、社員へ危機感を浸透させるとともに、解雇はしないことを伝えることで、再生へのベクトルをあわせる。その上で、重点施策の絞り込みを行い現場にそれを浸透させるとともに、やる気を引き出すために必要であれば人事制度の改革を実施する。また、特に力を入れたのが現場との直接対話であると箕浦氏は語る。現場重視とは、現場の声に耳を傾け、厳しい改革も現場に受け入れやすい方法で進めていく。それが自律的な現場をつくり、再生への近道となる。
 また、リヴァンプ代表パートナーの浜田氏は、再生には現場で働く人々の心に火を付けることが重要で、そのためにトップと現場の関係をしっかり構築していく必要があると語る。例えば、信頼感を醸成するためには、トップが威張らない、謙虚である、現場を尊敬するなど、小さなことの積み重ねが大切。一方でやるときにはドカーンと。ムダな会議、必要のない人材を躊躇なくカットするなど、“さすがに違う”という一面をアピールすることも重要なこと。再生に向けて全社が一つのチーム、いわゆる一枚岩になっていることがポイントだと言う。

人間尊重経営が現場を活性化させる。
 上總教授は、三田工業を再生させた京セラのアメーバ経営についても言及。アメーバ経営とは、経営者育成と小集団、それに時間当たり採算といわれる管理会計の組合せだ。そこでは、稲盛名誉会長の経営哲学のもと、アメーバ長は中小企業の社長と同じ感覚で利益責任をもつ。利益計算は、子供の小遣い帳と同じ現金主義で会計する。100万円分の原材料を仕入れて、製品を作り、全然売れなかったとき、普通の企業会計では100万円が貸借対照表上で棚卸資産になるが、京セラでは直ちに100万円の費用になる。しかもそれをコンピューターではなく、アメーバ長が自分で計算する。会計を他人任せにすると数字だけが一人歩きするからだ。また、時間当たり採算の利益の中に労務費が入っている。通常、利益を出すために簡単な方法は労務費のカット(解雇)だが、アメーバ経営では、費用として労務費を考えていないので、労務費をカットしても意味がない。だから従業員の解雇は行われず、従業員はオペレーションの改善に集中し、その結果時間当たり採算を上げることができる。このようにして、アメーバ経営では、人間を大切にし、現場に会計を導入することで経営者育成しつつ、現場を活性化することができる。

 経営者の意志をどれだけ現場に伝えていけるか。現場がどれだけ当事者意識を持って臨むことができるか。企業を再生するためには、いかに組織に命を与え、活性化させていくかが成功、失敗の分かれ道となると実感できたパネルディスカッションであった。



原山祭 経営学部特別講座
悪質商法対策出前講座
2007.01.05更新


講師:(社)全国消費生活相談員協会 中部支部 消費生活専門相談員
斎藤立子 氏、糟谷典子 氏、小城奈穂美 氏、青山裕子 氏

不審な勧誘やうまい話に気をつけ、
困ったときは消費生活センターに相談を。

 10月21日(土)、第14回 原山祭の経営学部特別講座として開催された悪質商法対策出前講座。講師は、(社)全国消費生活相談員協会中部支部の斎藤立子氏、糟谷典子氏、小城奈穂美氏、青山裕子氏の4名で、いずれも日々多くの事例に対応する現役の消費生活専門相談員。自作の寸劇を交えて、悪質商法の手口やケース、解決法などがレクチャーされた。
 最近の消費者トラブルに関する相談では、特に若者が多く、携帯電話の出会系サイトへのアクセスによる不当請求やマルチ商法などに引っかかってトラブルに巻き込まれ、果てはサラ金に手を出してしまうケースもあるという。大学生も20歳を過ぎると成人とみなされ、自分は関係ないと思っていても、巧みな手口で忍び寄ってくるケースが多いと警告を呼びかけられた。
 最初にマルチ商法についてのケーススタディが行われた。マルチ商法は、大学生や主婦、高齢者をターゲットに、断りにくい人間関係をうまく利用した悪質商法。誰でも簡単に高収入が得られるとの誘い文句で勧誘され、入会しても実際には商品が売れずに在庫を抱えたり、無理な勧誘をして人間関係を損ねたりするほか、商品購入資金を高金利で借りている場合など、総額が増えて返済に行き詰まるなどのトラブルも。ひどいケースになると、ある程度稼いだら組織をつぶしてしまうような悪質な業者も存在する。簡単に儲かる話はないとの信念をもって、勧誘されても説明会には行かないこと。万が一トラブルに巻き込まれてしまったら、早めに消費生活センターに相談をして欲しいと呼びかけられた。
 2つめはキャッチセールス。街頭で不意に声をかけられたり、アンケートなどを書かせ、販売目的を隠して営業所などに案内し、商品やサービスの契約を結ばせる手口。エステティックや化粧品、タレント養成講座などに勧誘することが多い。声をかけられても安易に勧誘に乗らないことが大切だが、もし誤って契約してしまったときでも「クーリング・オフ」制度を利用して欲しいと話された。「クーリング・オフ」取引内容によって期間は異なるが、たとえばマルチ商法では20日間まで有効だ。
 斎藤氏は、消費生活センターの存在を知ってもらいたいと強調された。安易な承諾や支払に応じたり、あいまいな返事はトラブルのもと。うますぎる儲け話に注意し、必要がなければきっぱりと断る姿勢を心がけ、自分でなくても友人のことでも気になることがあったら、相談して欲しいと強くアピールされた。
 学生時代はつい軽いノリで、説明会に参加したり、深く考えずに友だちの誘いに乗ってしまうこともあるが、十分気をつけて、貴重な大学生活を棒に振らないようにしてほしい。



女子柔道部が愛知県学生柔道新人優勝大会で4連覇。
全日本学生柔道体重別選手権大会では3名がベスト8に。
2006.11.27更新


 本学女子柔道部が、10月8日愛知県武道館で行われた愛知県学生柔道新人優勝大会にて優勝し、4連覇を達成した。出場選手は経営学部2年生の船越亜美さんと江口めぐみさん、1年生の太田千晶さん、山口裕子さん、田口雅恵さんの5名。船越さんは優秀選手賞にも輝いた。予選リーグでは1試合、2試合とも全勝で通過。決勝では名城大学と対戦し、2勝1引き分けで見事優勝に輝いた。
 連覇が続いた分、当然プレッシャーも大きかったはずだが、チーム全体で雰囲気を盛り上げ、優勝につなげることができた。試合経験の少ない1年生はどうしてもプレッシャーに負けてしまいがちだが、元気よく雰囲気を盛り上げて行くことができたので1年生も積極的に前に出ることができたと、船越さんは語る。鈴木香監督はいつも「勝ったときこそ反省する」ことを指導しているため、選手たちも連覇に溺れることなくあえて自らを分析し、常に省みる姿勢が身に付いているようだ。
 また、10月14日(土)〜15日(日)に日本武道館で行われた第22回全日本学生柔道体重別選手権大会では、出場した5名中3名の選手がベスト8入りを成し遂げた。ベスト8入りしたのは、78kg超級の経営学部4年生、尾方智穂子さんと2年生の船越亜美さん、そして48kg級で3年生の梅原瑠里子さん。ベスト8入りした選手が1名だった昨年よりも好成績となった。学生柔道大会では個人戦の中でもメインともいえる大会で、ベスト8入りした選手は11月中旬に予定されている講道館杯全日本柔道体重別選手権大会にも出場できる。今年が最後の出場のため、全力投球で戦ったという主将の尾方さんは、まだまだ精神面で波があるので、メンタル面の鍛錬が必要と話す。技を磨くことはもちろん、一人ひとりが強くなろうという気持と、プレッシャーに負けない強い精神を持ち合わせ、今後ますますの活躍を期待したい。



コミュニティーサテライトオフィス開講講座
愛知産業大学経営学部経営環境学科セミナー
「くらしのなかの経済学」
2006.10.02更新




「海外直接投資の経済学」
講師:水野伸一郎 (愛知産業大学経営学部経営環境学科助教授)
平成18年7月8日(土)

 第4回となる経営環境学科セミナーでは、本学経営環境学科の水野伸一郎助教授が「海外直接投資の経済学」と題して講演を行った。海外直接投資とは、企業が進出先の国で現地法人を設立して企業活動を行い、そのために行われる投資のこと。単に株式、債券など証券類の売買によって利益を上げようとする間接投資とは異なる。直接投資では、資本以外の技術、ノウハウ、管理技術などの経営資源も同時に投下されるため、現地にこれらの資源が根付き、経済が活性化することが効果としてあげられる。投資国が大きなメリットを享受できる一方で、北朝鮮やアフガニスタンなど投資されない国は、政治的理由もあるが、落ち込みが大きく孤立感を生み出しているという。
 水野助教授は、直接投資は90年代のグローバル化、ベルリンの壁崩壊の頃から、一貫して増え始めていると分析。特に最近の傾向としては、2000年をピークに2001年の同時多発テロの頃を境に少々落ち込みを見せるが、リバウンドし2004年、2005年と増加の途をたどっている。先進国グループが先進国へ投資するという形が顕著であるが、近年、開発途上国ではあるが経済の発展が見られる新興市場国への投資も増えている。ブラジル、ロシア、インド、中国のいわゆるBRICs4ヵ国への投資の増加がその例である。
 水野助教授は、世界全体から見て地域的な経済成長と投資の関係は深く、成長率が高いから投資をする。投資をするから、成長率が高くなるといった傾向にあると解説。グラフから見ると日本の対外投資は8位と意外に少ない。しかし日本の国力から見ると投資の金額は多いと捉えるべきであると話した。また、直接投資に関して、移転価格税制やM&Aによる問題、世界標準に関する是非など、さまざまな問題を抱えながらも、今後も増え続けるとともに新興市場国への投資がさらに増大すると推測する。直接投資のメリットは大きく、デメリットを考慮しても、その利益を享受することが望ましいとし、特に投資、被投資ともに遅れている日本は規制緩和などを積極的に行い、直接投資を増加するべきであるとまとめた。国際経済については日常生活とかけ離れていると思われがちだが、助教授が企業活動を通しての説明などに置きかえながら解説してくれたおかげで、わかりやすく受講者も熱心に聞き入っていたセミナーとなった。



コミュニティーサテライトオフィス講座
愛知産業大学経営学部経営環境学科セミナー
「くらしのなかの経済学」
2006.09.05更新




「家計簿から見えてくるもの」
講師:鶴見正史 (愛知産業大学経営学部経営環境学科講師)
平成18年6月17日(土)

 第3回の経営環境学科セミナーでは本学経営環境学科の鶴見正史講師が「家計簿から見えてくるもの」をテーマに講演を行った。ゼロ金利政策は解除されたものの、依然低金利状態が続いている中で、現在の支出や収入、預貯金の状況、銀行の対応などを分析しながら、暮らしの中のマネープランついて提言した。鶴見講師はまず家計簿をつけることのメリット、デメリットを説明。家計簿をつけることによって、収入と支出が把握でき、無駄を省くことができるとともに資金の使途計画を立てることができる反面、帳簿をつける面倒さや、レシートがかさばるなどのデメリットをあげた。次に収入および支出の状況を、グラフに沿って実際の数字とともに解説。賃金では平成17年の数字で男女とも4年ぶりに増加。作業別の収入で増加しているのは、建設業、製造業、金融保険業、飲食・宿泊業などで、児童福祉、教育、学習支援、総合サービス業では減少している。賞与についても、1980年のピーク時の夏1.56ヵ月、冬1.85ヵ月という実績から、平成16年には夏1.2ヵ月、冬1.3ヵ月と大きく減少している。このところ景気が上向き傾向であると言われているものの、さほど収入の増加はないと分析した。一方、支出面では45歳から54歳までの世帯の支出がピークとなっており、24歳までは住居費の割合が多いが、25歳から70歳までは食費の割合が最も多くなっている。2番目に多いのは交通通信費で3番目が教養・娯楽費。子どもが大学に進学する45〜54歳では教育関係の支出が多くなっている。貯蓄高を見てみると全世帯、勤労世帯ともに、16年度から17年度にかけて若干増加傾向に。内容では全世帯では有価証券の割合が、勤労世帯では普通預金の割合が高くなっている。また、利用者のニーズにあったサービスの提供によって高い人気を誇る銀行がある。低金利時代であるがゆえに、利用者の銀行に対する期待度は高い。手数料などで銀行サイドも各行特色あるサービスを提供しているが、制限もあるので規約等をよく読むべきであると促した。
 最後に鶴見講師は支出を抑える方法として、ディスカウントショップ(金券ショップ)やデパートの積み立て、クーポンの利用などを提案。低金利時代になって、企業もさまざまなサービスを提供しているので、それをうまく利用することがコツであると話した。
 今回の講座では、家計簿をつけることによって、家計の見直しだけでなく収支に関心を持つことができ、暮らし全体を見直すことにもつながるということを知る機会となった。また、鶴見講師のアドバイスも日々の暮らしに活かすことができそうな身近なお話が中心であり、参加者は熱心に聞き入っていた。  



女子柔道部、全国大会で初優勝の栄光に輝く。 2006.7.21更新


 6月24日・25日に日本武道館で行われた第15回 全日本学生柔道優勝大会団体戦(3人制)において、本学女子柔道部が全国大会初優勝という快挙を成し遂げた。昨年は惜しくも準優勝という結果を残しているだけに、選手たち、そして監督の喜びもひとしおだろう。
 先に行われた東海大会での優勝時、選手たちに喜びの表情はなかった。あくまで全国大会への切符を手にするための通過点であるとして、むしろ厳しい表情さえ見せていた。その間わずか1ヵ月、選手たちはさらに厳しい練習を積み、全国大会優勝に向けて文字通り選手全員が一丸となって全力投球した。奇しくも決勝の相手は昨年の優勝校、埼玉大。最後は主将の尾方さんが一本を決めて優勝を飾った。出場選手は4年生で主将の尾方智穂子さん、同じく4年生の間部恭子さん、3年生の五月女季美子さん、2年生の船越亜美さんと江口めぐみさん、そして1年生の田口雅恵さんの6名。さらに3年生梅原瑠里子さんが主務として選手たちを支えた。船越さんは優秀選手賞にも輝いた。
 主将の尾方さんは、とにかく選手全員気合いが入っていた。東海大会同様、失点もなくほとんどが一本勝ちできたのは、いち早く自分の組手にすることができたため、と振り返る。鈴木香監督は、試合に出ていない選手も含め、チーム全員が一つになれたことが優勝へと導いた。また選手一人ひとりがきっちり役割を果たし、失点なしという文句なしの成績で優勝できたこともすばらしいことと、選手たちの栄誉を讃えた。
 団体戦は、これで一区切りだが、9月には体重別の個人戦をひかえている。優勝の喜びを噛みしめていられるのもほんの束の間。練習場には全国一という地位に決して甘んじることなく、さらに精進を続けて汗を流す選手たちの姿があった。今のムードと勢いで、9月の個人戦も健闘を期待したい。




女子柔道部、東海学生女子柔道優勝大会にて2連覇達成。 2006.7.10更新


 去る5月21日、愛知県武道館で行われた「第13回東海学生女子柔道優勝大会」において、本学女子柔道部が昨年に引き続き、見事2度目の優勝を勝ち取った。出場選手は経営学部4年生で主将の尾方智穂子さん、同じく間部恭子さん、3年生の五月女季美子さん、2年生の船越亜美さん、同じく江口めぐみさん、1年生の田口雅恵さんの6名。尾方さんと五月女さんは優秀選手賞にも選ばれている。
 1回戦から順調に勝ち進み、決勝戦まで失点なしという好成績で文句なしの優勝だった。勝因について主将の尾方さんは、一人ひとりがポイントを落とさず、きっちり役目を果たした結果と振り返る。しかし、選手全員が口をそろえて言うのは、今大会はあくまで通過点でしかないこと。実際大会前から、目標は6月24日の全日本学生女子柔道優勝大会で優勝することにおかれていた。だから、負けることは考えてなかったという。昨年の全日本学生女子柔道優勝大会で惜しくも埼玉大に破れ準優勝という結果に泣いた悔しさが、選手全員東海大会そして、全国大会優勝へ向けての強い闘志となっているのである。鈴木香監督は、優勝という結果におごることなく、地道に練習に励むことが大切。メンタル面では相手に勝つのではなく、自分自身に勝てるよう、妥協することなく練習に励んで欲しいとアドバイスした。
 各選手とも、今後はできるだけ早く有利な組み手に持っていけるような、攻める柔道ができるように練習に励んでいきたいと意気込みを見せた。本学女子柔道部は特に日頃から質、量ともに相当ハードな練習をこなしていると聞く。ぜひ、その練習の成果を24日の全国大会へとぶつけて欲しい。




コミュニティーサテライトオフィス講座
愛知産業大学経営学部経営環境学科セミナー
「くらしのなかの経済学」
2006.06.23更新




「非営利セクターの経済学」
講師:阿部雅俊(愛知産業大学経営学部経営環境学科教授)
平成18年5月20日(土)

 第2回の経営環境学科セミナーは、本学経営環境学科の阿部雅俊教授が「非営利セクターの経済学」と題して講演を行った。はじめに教授は、JR西日本福知山線の脱線事故や耐震強度偽装事件、ライブドア粉飾事件など、最近世間を騒がせた事故や事件は金儲けのために真実や安全性をおろそかにしてしまった結果が大きな要員であったとし、堀江元社長の「人の心はカネで買える」との言葉に代表されるような拝金主義が現代社会に蔓延していると指摘した。
 戦後、日本でも資本主義のめざましい発展により、他人への寛容や慈悲よりも自分の満足や欲望を追求する社会、さらに消費こそ美徳といった社会へと変わっていった。カネになるものなら、土地や会社、臓器までも売買する社会。こうした資本主義社会は、競争社会となり「勝ち組と負け組」へと二極化する格差社会を生み出した。しかしそうした社会は他者へのいたわりや、痛みへの共感に欠け、共存共栄が不可能な社会である。もはやモラルはおろそかにされ、人間の精神的な満足よりも経済合理主義を追求するあまり、我々の将来に大きな不安を抱かせていると教授は分析する。
 しかし、人間の本来の生き方とは楽しさや悲しみを分かち合い、優しさや愛情を分け合って生きて行く姿であり、資本主義以前には、金銭だけに拘らない社会の姿があった。近代以前は家族や、友人、隣人といった人との継続的で信頼に基づく関わりによって、相互依存関係を維持しながら、非営利を中心に動く社会であった。教授は、資本主義は人類の長い歴史から見れば、最近のわずか200年ほどの歴史しか持たず、「歴史的に特殊な事件に過ぎない」との考え方もあるとし、資本主義の在り方が見直されつつあるという。実際に市民ボランティアを中心とする非営利セクターの活動も増えつつある。現在ボランティアを主体とする公益活動は、NPOという組織の形をとることが多い。NPOは、利益は見込めないが、その多くは行政では提供することが難しい社会的なニーズに応えるサービスを担っている。教授は営利セクターと非営利セクターとを比較分析し、これからの社会では非営利セクターの新しい動きこそが、本来の人間性に基づいた活動であり、今後非営利セクターを中心とする新しい社会の出現が望まれると結んだ。
 時代に即した話題であり、参加者も熱心に聞き入っていた。物が豊富にあふれ、お金があれば何でも買える時代。地域のコミュニティさえも希薄になってしまった今、一人ひとりがもう一度それぞれの価値観を見直し、心の通い合った社会の再構築が必要であるとの認識を新たにするものであった。





石油価格の経済学
講師:須賀周平(愛知産業大学経営学部経営環境学科教授)
平成18年4月14日(土)

 経営や経済に関する知識・情報をもとに社会やくらしを見つめると、気づかなかった仕組みやこれからの動きが見えてくる。こうした視点で、いま日本や世界が抱える課題を広く一般の方々にも理解していただこうと企画された「愛知産業大学経営学部経営環境学科セミナー」が今年度も全6回の予定でスタート。“くらしのなかの経済学”という年間テーマを設け、4月14日、松坂屋岡崎店6階コミュニティサテライト オフィスで第1回が開催された。今回の内容は須賀周平経営環境学科教授による“石油価格の経済学”。最近の石油(原油)価格高騰を例に挙げ、なぜそうした状況が発生し、どんな影響を及ぼすのかをわかりやすく解説した。
 通常モノの価格は供給(売り)と需要(買い)の一致するところに決定されるが、石油の精製能力の引き上げには時間がかかり、短期を考えると、石油の供給はほぼ一定であると考えられるので、需要の増加はすぐさま価格の上昇につながりやすい。そしてそれはまたさらなる価格の上昇を見越した需要の増加を生み価格の急騰をもたらすことになりがちである。
 昨今の価格高騰の要因として須賀教授は次の3点を挙げる。第1に生産余力の限界、さらには中東情勢の不安定化により供給余力に不安が広がっていること。第2にBRICs(ブラジル、ロ