デザイン学科・教員が「西三河高等学校生徒美術展」「愛知県高等学校文化連盟西三河支部美術・工芸部門展」の講評会講師を務めました。 2006.02.08更新


 西三河地区の国公私立高校と特殊教育諸学校高等部36校の生徒の作品を展示した「西三河高等学校生徒美術展」「愛知県高等学校文化連盟西三河支部美術・工芸専門部展」(愛知県高校文化連盟などが主催)が、平成18年2月1日(水)から5日(日)まで岡崎市美術館で開かれ、絵画・立体・デザインなど生き生きとした高校生の視点で捉えた約650点の作品が展示された。
 この展示は、高校生に作品の発表の場を提供することにより、造形活動への参加意欲を喚起し、創造的な人間育成を図るとともに、造形活動を通して、西三河地区での生徒相互の交流・親睦を目的とし、毎年開催されている。
 一般公開に先立ち、本学・デザイン学科から杉田圭司学科長と岩田政巳講師が講評会講師として参加した。
 杉田学科長は、「意欲的な作品を見て、楽しんで制作している姿が想像されました。将来、デザインや美術分野で活躍が期待できそうな、可能性を感じさせる作品もたくさんありました。」と感想を語った。
 このような美術展は、高校内での授業、クラブ活動では体験できない機会であり、互いの作品鑑賞や大学の先生による専門性や知見からの講評を通して、新たな創作への刺激になることを期待したい。
 



本学デザイン学科小川清一教授が
2005年日本国際博覧会記念時計塔を製作。
2006.01.25更新


 本学デザイン学科の小川清一教授が設計に携わった2005年日本国際博覧会記念時計塔が11月末に完成し、12月2日、長久手町役場前設置場所で除幕式が行われた。2200万人の来場者を記録し、多くの成果を残した愛・地球博は、去る9月25日に185日間の会期を終えた。開催地である長久手町では、大成功に終わった環境万博の成果を後世に伝えるためのシンボルとして時計塔の建設を計画。「緑の手・グリーンハンド」と名づけられた時計塔は、人の手をデザイン化したもので、愛・地球博のテーマである「自然の叡智」にちなみ、自然と人間の永遠の共存を願って「緑を守る人の輪・手」をコンセプトに小川教授がデザインした。教授は、自然を守るのも壊すのも「人の手」による。われわれの「手」によって、自然を守り、その叡智を未来に継承していきたいとの思いを込めたと話す。
 長久手文化の家の建築や、「農のあるくらし・農のあるまちづくり」をめざした「田園バレー事業」の中で、子どもの基地の設計コンペの審査員を務めるなど、長久手町とは万博開催以前から関わりがあった小川教授。そうした経緯もあり、時に関心の深い教授に白羽の矢が立った。時計塔は高さ4.75m、幅2.225m、厚さ70cmのアルミ製で、鮮やかなグリーンで塗装された手が時計を持つようなスタイル。構造上強風にも耐えられるような配慮もされている。当初田園をイメージした案「カカシ」のデザインも有力だったが、最終的に「緑の手」になったという。製作期間は約3ヵ月間。山形県で製作され、11月中旬頃完成し設置の運びとなった。小川教授は15年くらい経つと塗料が落ち、アルミの地金が見えてくるが、部分的に緑が残り、下から本物の手が現れてくるようなイメージで、自然が作ったそんな姿もまた美しいのではと語った。
 



東海エリアの芸術系大学が集い、合同イベントを実施。 2005.12.16更新
 11月8日(火)から24日(木)まで、名古屋市栄のオアシス21において東海エリア美術・デザイン系大学コンソーシアムが主催する合同展示会が開催された。愛知県にある本学、名古屋芸術大学、名古屋学芸大学、名古屋造形芸術大学・短期大学部、そして静岡県にある常葉学園大学の5大学が集うこのコンソーシアムの結成は3年前。美術やデザインにもっと多くの学生が興味を持つためにはいま何ができるかをいっしょに考え、実行していくことを目的にスタートした。
 2003年には名古屋・静岡・浜松で合同展示会を開催。また2004年には名古屋・浜松で「もっと知りたい、アートとデザイン」というテーマで合同イベントを実施。多くの高校生や保護者たちが来場し、ビジュアルデザイン、プロダクトデザイン、ディジタルデザインなどにふれる機会となった。2005年には、美術やデザインを学ぶとはどういうことなのか、また将来はどんな道が待っているのかをより幅広い人々に伝えるためにホームページを開設。今回のオアシス21での合同展示会は、まさにこのホームページで伝えたい主旨をパネル展示などによってメッセージするものとなった。各大学の特長を表すパネルは、まさに芸術系大学ならではの個性が満開。本学は学生の卒業制作の作品をパネル展示し、学びの成果を大いにアピールするものとなった。さらに12月18日(日)には愛知芸術文化センターにおいて漫画家の江川達也さんとZIP-FMナビゲーターの渡辺麻耶さんを招いて「自分探しの表現」をテーマにしたART&DESIGN トークライブ2005を開催。今後も元気な東海エリアを全国に向けて発信するとともに、大学どうしが自由に意見や情報交換を行う場としてこのコンソーシアムが活用されることを期待したい。
 



今年は15名のOBが参加して学内で開催。「Hasta la vista2」 2005.12.16更新


 本学デザイン学科のOBたちが自ら制作した作品を持って集う有志展「Hasta la vista2」が11月7日(月)〜11日(金)の期間、本学ステューデントスクエアにて開催された。スペイン語で“もう一度会いましょう”と名付けられたこの展覧会の開催は、昨年に続き2回目。今回は15名のOBから作品が寄せられた。自身がデザイン学科のOBでもある発起人の菊池 孝助手によれば、昨年は名古屋市民ギャラリー矢田で開催したが、もっと学生たちにも見てほしかったから会場を学内に変更。その甲斐あって、期間中は学生はもちろん、出展者の同期生など多くの人々が会場を訪れ、それぞれの作品にコメントなどを書いていた。
 作品は写真やイラストレーション、映像、ゲーム、さらには立体など、まさに個性の競演。初めての参加となった須山初美さんと古川雅博さんは、同じ広告制作会社に勤務するOB。二人は“食べることをもっと楽しもう”という主旨の「くいしんぼうくらぶ」を架空に設定。企画意図をキャッチフレーズにしたパネルやPR用のポスター、トイレットペーパーをモチーフにした立体作品などを出展した。制作期間は約1ヵ月。仕事が終わってからの制作だったため体力的にもきつかったが、普段の仕事ではできないものをつくろう、との目的は達成できたと満足げに語る。
 菊池助手は、現在はデザイン学科のOBのみの展覧会だが、これをきっかけに同期展や在学生とOBの合同展などもっともっと裾野が広がっていってほしいと語る。第3回は、どんな企画や作品が寄せられるのか、いまから期待が集まる。
 



視覚的な表現や構図に見る、
西洋と日本の美術の比較の不思議。
2005.12.13更新


デザイン学科講演会「おもしろ・不思議、美術の世界」
講師:川上 實氏(愛知県陶磁器資料館総長・愛知県立芸術大学前学長)
平成17年10月23日(日)

 10月23日(日曜日)、原山祭のデザイン学科企画の講演会では、長久手文化の家館長、そして愛知県陶磁資料館の総長を務める川上 實氏をお招きし、「おもしろ・不思議、美術の世界」と題してお話しいただいた。川上氏はドイツ中世美術史がご専門で、本学でも92年より3年間にわたり建築学科で西洋美術史を担当された。講演会では西洋と日本の建築や美術作品をスライドで見せ比較しながら、両者の違いとその理由について解説し、聴講者を興味深く不思議な美術の世界へと引き込んだ。
 まず彫刻などから見てみると、ヨーロッパの美術作品が対比的なバランスの関係を重視しているのに対し、日本の作品は非対比的である。それは日本の祖先が物を対比やコントラストでまとめていくという考え方を持っていなかったからだと指摘する。中世以前のヨーロッパでは人間のボディをイメージしてフォルムを構成している作品が多い。またイタリアの建築物などではいくつものモチーフを組み合わせてフォルムを形成している。それに対し、日本では非常に情緒的なイメージが作品の中核を成していることがわかる。またヨーロッパと日本の絵画の構図の比較も興味深い。ヨーロッパの絵画では左から右へ、下から上へと展開するのに対し、日本の絵では逆に右から左へと展開する。西洋では見る人が絵の中に入っていくという考え方があるため、非常に奥行きのある構図になっている作品が多い。また視線を意識した構図を採用している作品も多く、17世紀の絵や、それ以降の、特にセザンヌの作品などにはそれが顕著に表れている。また、建築においても日本では障子戸があり、外と内と分断せず外の景観を取り込むといった考え方があるが、ヨーロッパでは外に悪魔が住んでいるという考え方があり、外と内とを遮断。内部建築と外部建築を独立したものとして考える傾向がある。
 このようにヨーロッパと日本の美術の違いは双方の歴史の関係に依るところが大きく、大まかにまとめるとヨーロッパはフォルムや形を重視し、具体的な表現であるのに対し、日本は情緒的な表現である。川上氏はこうした違いを知っていくことは、将来世界の舞台で美術の調和を図っていくのに役立つであろうとメッセージを残した。



様々な「むすび」から創造されたアートの世界が広がる、
デザイン学科ディジタルコース企画展「むすびのわざ」を開催。
2005.12.09更新


 11月15日(火)〜19日(土)、本学スチューデントスクエア2Fにて、造形学部デザイン学科ディジタルコース企画展「むすびのわざ」が開催された。会場には、アニメーションやインスタレーションなど愛知県近郊で活動する若手アーティストや本学卒業生の作品が展示されたほか、19日の13時よりワークショップも行われた。「むすびのわざ」は、人と技術、新しい世界や文化との出会いなど、アートの世界の中でのさまざまな出会いを意味し、それによる新たな表現の可能性を期待したネーミング。出展している作家たちは、それぞれの視点から新たな「むすびのわざ」をめざし、見応えのある企画展となった。
 2作品を出展した粟野ユミト氏の「Lucies」は、彼女が主宰する「Lc' sfactry(ルーシーズファクトリー)」で取り組むストローリサイクルプロジェクトで集めた使用済みストローによる作品の展示。その中の一つ、正方形の枠にストローを詰め込んだだけだが、見る角度によりさまざまに変化して見えるという作品は印象的だ。もうひとつ「temperament」という作品は、蒸気を噴き出しながら回転する機械を使って風、蒸気、見る人の呼吸とそれらをとりまく空気という3つの出会いによる変化を円光内に映し出す映像インスタレーション。見る人が自由に感じたり、発見したり、感動したりできる可能性を秘めた作品といえる。
 企画を担当したデザイン学科の宇井朗浩助教授は、今回は面白い作品が集まった。制作の過程やワークショップ実現の過程でもさまざまな「むすびのわざ」がうまれて実現できた部分もあり、そういう意味でもこの企画展は価値があると考えている。作家は身近に作品を作る環境がないと制作を続けることができない。人と出会い、素材と出会い、技術と出合うといった「むすびの機会」を大事にして欲しいと話した。
 



岡崎市長賞をはじめ、4名の学生が歴史ある岡崎美術展に入賞。 2005.12.06更新


 日本画、洋画、デザイン、さらには写真や書道など7部門に全国から多数の応募作品が寄せられる岡崎美術展。昭和22年からスタートし、今年で58回目を迎える歴史ある美術展に、本学造形学部デザイン学科の学生4名が見事入賞を果たした。
 最高賞である岡崎市長賞を受賞したのは3年生の櫻井亜依さん。絶滅しつつある動物たちを守るというテーマで描いたのは、鳥の首でハートを象徴させた印象的なポスター。動物図鑑を見ているうちに構想が固まったというこの作品の制作期間はおよそ3ヵ月。今回はグラフィックデザインでの受賞であったが、これを機会に絵本やTシャツのデザインなど、様々な領域にもチャレンジし、コンペにも積極的に応募していきたいと抱負を語った。
 この他、色面構成を効果的に取り入れながら動物を描いた翁長武蔵さんは岡崎南ライオンズクラブ賞、SAVE MEというキーワードを使って落ちていく鳥を描いた波多野祐作さんは読売新聞社賞、動物でドクロを描いた河村潤哉さんは愛知教育委員会賞をそれぞれ受賞。指導にあたった杉田圭司教授は、4作品はメッセージをダイレクトに伝えるだけでなく、作者の視点や考え方、それらが絵に反映されている点が受賞につながったと分析。岡崎美術展への応募をきっかけに、テクニックだけではなく、どんなメッセージを、どのような形で伝えるか、というデザインの基本を確実に習得したのではないだろうか。
 



絶滅寸前の動物を守るための展覧会“Save Me Poster Exhibition”に、
本学デザイン学科の学生10名が出展。
2005.11.30更新


 「これ以上地球から動物が消えていく悲劇を繰り返さないために、Save Meをポスターメッセージとして社会にアピールする」。こうした主旨で毎年実施され、今年で14回目を迎えた“Save Me Poster Exhibition”が10月26日から31日まで名古屋・栄の国際デザインセンター・デザインギャラリーで開かれた。本学からは杉田圭司教授の指導を仰ぐ造形学部デザイン学科3年生の学生10名が出展。多くの人がその作品、そしてメッセージにふれた。
 この展覧会は、本学をはじめ愛知県内のデザイン系の学部を持つ大学、及び専門学校10校の学生が作品を寄せるもの。それだけに、日頃は目にすることがない同世代の作品に大きな刺激を受けたという。その内の一人、前田恵美さんは紐を使って描かれたものなど、素材に工夫した作品が印象的だったと語る。平面で描くということに終始するのではなく、発想を切り替えることも必要だったと振り返る。また、波多野祐作さんは、趣味で続けているスキューバダイビングを通して日頃から感じていた海洋汚染をテーマに。絵の主題を決めるために資料を調べることで、海を見る目が変わったという。作品づくりを通して、まさにSave Meの心が育っていったようだ。この他、河村潤哉さんは、自分の作品が学外の方の目にもふれるということで、強い刺激があったと感想を語った。
 大半の学生にとって、初めての経験となった学外展。これをきっかけに、これからもコンペなどにチャレンジしたいという思いは、10人全員の心に宿ったようだ。
 



八丁味噌ブランドマークの公募で、
デザイン学科3年の波多野さん、河村さんの2作品が入選。
2005.11.09更新


 地元の特産品として知られる八丁味噌ブランドマークの公募で、本学デザイン学科3年の波多野祐作さんと河村潤哉さんの2作品が入選した。2人ともデザイン学科の杉田圭司教授の授業で勧められたのが応募のきっかけという。波多野さんの作品は、味噌樽の底をシンプルにデザインしたもので、中央に八丁味噌の文字が入っている。静岡県出身の波多野さんは八丁味噌についてもよく知っていて、あまり悩むことなく方向性が浮かんだと話す。一方河村さんのデザインは、樽に石が積まれている様子をモチーフに、さらに八丁の文字を樽のデザインに同化させたもの。河村さんはこのデザインの他にも伝統的なイメージを生かし、八丁の文字を使った家紋のようなデザイン案をいくつか考えたという。
 2人はこれまでもさまざまなデザイン系の公募にチャレンジしてきたが、在学中での入選経験は初体験。きっかけは就職も意識しての応募だったが、入選したことで自信につながったと顔をほころばせる。今後もいろんな公募にチャレンジしていきたいと新たな意欲を見せた。
 美術部だった高校の頃から絵を描くことやモノを作ることが好きだったという波多野さん、そして手を動かすことが好きでファッションにも興味があるという河村さん。2人は、いずれもデザイナー志望。杉田先生を身近な目標として、個性的なデザインを発信できる有名なデザイナーをめざしたいと抱負を語ってくれた。

・入賞作品:http://www.okazakicci.or.jp/gaibu/miso.html



おかざき匠の会とのコラボレーション事業の一環として、
デザイン学科 佐藤延男教授が「デザイン塾」を開催。
2005.10.21更新
 




 デザイン学科では、「おかざき匠の会」と学生とのコラボレーション事業の一環として、同学科佐藤延男教授の指導のもと、おかざき匠の会「デザイン塾」を開催。第1回目は10月1日(土)に開催され、12月17日までの計6回で終了する予定。おかざき匠の会は、石材石工、和ろうそくなどの伝統的技術を持ち地元岡崎で活躍する匠とその技を支援する人たち約40名が参加するNPO団体。匠の技の伝承とその技を生かした新たなモノづくりへの挑戦を支援する目的で平成13年に設立され、行政の協力を得ながら地元の伝統的な素材や技術を活かした特産品開発やイベント等の活動を行ってきた。愛・地球博の地球市民村にも参加している。
 本学デザイン学科との関わりは、平成14年、デザイン学科佐藤教授がおかざき匠の会のデザインアドバイザーとして要請を受けたことをきっかけに、平成15年より他の教員や学生もいっしょになったコラボレーションの実現へと発展することに。石材加工やろうそくなどの製造を営む匠職人とチームを組み、新たな製品開発やパッケージ、販売方法の改善提案、パンフレットなどを企画し、発表するなど活発な活動が行われた。しかし、16年度には地球市民村への参画が決まったため、活動の中心はその準備に。今年の7月の末に活動を再会。年度途中で時間もあまりなかったため、ここで今一度、匠の職人たちとデザインの専門に関わる教員や学生たちとの共通理解を深めようと「デザイン塾」を開催する運びとなった。
 これまで3年近く匠の職人さんたちとともにモノづくりに関わってきたが、考え方やセンスに微妙なズレを感じると佐藤教授は語る。匠の職人たちはいわばクラフトマン。伝統の中で技術を磨き独特のセンスを持ってはいるが、それは一般の人たちに受け入れられるデザインとはどこか異なるという。コラボレーションの目的は、匠の技術を一つのデザインとして活かした新しい商品を生み出していくことだ。そこでデザイン塾では、「美しいデザイン」に共通するポイントや傾向をディスカッションしたり、ある製品をケーススタディとして実際にデザインするなど体験的に考えていく。現在19名が参加。佐藤教授はこの塾をきっかけに匠職人と同じ土俵で議論できる素地を作り、よりレベルの高いコラボレーションへと発展させたいと話した。
 



インダストリアルデザイン系の6大学のデザイン学生がワークショップを実施。
他大学学生との交流とコラボレーションが作品に。
2005.10.21更新


中部地域インダストリアルデザインスクール デザイン学生連合ワークショップ

 8月9〜12日まで、名古屋芸術大学西春キャンパスにおいて、中部のインダストリアルデザイン系6大学の学生によるワークショップが開催された。このワークショップは、大学間の交流を深め、次世代を担う学生たちのデザイン力の向上やネットワーク作りを目的に行われたもので、本学からはデザイン学科4年の堂田里美さんと、同じく4年の西川知伸さんが参加した。本学の他に、愛知県立芸術大学、名古屋市立大学、名古屋芸術大学、名古屋学芸大学、名古屋造形芸術大学の6校から32名が参加し、8つのチームに分かれてそれぞれ一つのテーマのもとに4日間にわたって共同作業を行った。最終日の12日には公開プレゼンテーションで成果を発表。各チームとも、ユニークな発想と感性で個性あふれる作品となった。堂田さんが所属する第1チームは「行為に基づく食」をテーマに「FC/ふるカレー」を考案。これまでの受け身的なレトルトカレーに「振る」というワンアクションを加えることで、新しいレトルトのカタチを提案した。また西川さんが所属する第8チームは「タノシム」をテーマに、料理なのに食べられないものを作ったり、4名でアイデアスケッチをしている風景をフォトアルバムにして見せたりと、このワークショップ自体を楽しんでいることが伝わってくるプレゼンテーションとなった。ほかにも「交換」をテーマにした第3チームは、コミュニケーションのあり方を探り、handshake-tagをデザイン。名刺交換のように初対面の人と交換することでコミュニケーションを深めるもので、相手につけるときにピンが刺さらないよう思いやりの気持が加わるのがポイント。また「一回きり」をテーマにものの価値について探求した第7チームは、身近なものがたった1回しか使えないと仮定し、ものの見方やかけがえのなさについて考えた。サスティナブルはデザイナーにとって命題であるとの認識が非常に興味深かった。
 今回の指導教員として携わった本学デザイン学科の木村助教授は、初めての試みだが、こういった企画はデザイン教育の補助的な役割を担うとともに、モノのデザインだけでなく他者とのコラボレーションを通じて多様な感性と想像力を磨き、相互に刺激が得られるので、今後も積極的に行っていきたいと話した。



愛と平和をテーマにした作品展「LOVE&PEACE 2005」を今年も開催。 2005.10.07更新
 
 8月2日(火)から7日(日)まで、名古屋市民ギャラリー栄でグループ展「LOVE&PEACE 2005」が開催された。この展覧会は、名古屋を中心に活躍するイラストレーターやフォトグラファー、グラフィックデザイナーたちが、平和や自然環境の大切さを自らの作品を通じてメッセージするもの。本学デザイン学科長杉田圭司教授の呼びかけにより1984年から開かれている。
 杉田教授は、毎年8月上旬に開催しているのは、広島、長崎に原爆が投下された時期でもあり、平和について考える良いタイミングだから、と語る。自身も「花と鳥とピース」と題する2作品を出展。平和の象徴である鳥、さらに花や人間を段ボールを使ったコラージュで表現している。
 今回は、本学の卒業生であるデザイナーの曽根寿樹さん、イラストレーターの川口高慶さんも作品を寄せている。初めての出展となった曽根さんは手描きのイラストレーションを配した「and me head」「and me body」の2作品を制作。杉田教授に誘われたのがきっかけだったが、意味深いテーマを、自由に解釈して作品づくりに挑める絶好の機会。これからもぜひ出展し続けたいと語った。
 クリエーターたちにとっても、ギャラリーを訪れた方々にとっても、平和と愛について考えるきっかけを創造する場となっているようだ。
 



「日本・タイ両国デザイン専攻学生によるデザイン・ワークショップ展」を開催。
異文化を巧みに取り入れた成果を発表。
2005.09.26更新


 7月20日〜25日、名古屋・栄の国際デザインセンターにて「日本・タイ両国デザイン専攻学生によるデザイン・ワークショップ展」が行われた。これは3月20日〜26日に、本学造形学部デザイン学科の学生5名とタイ王国2つの大学(チュラロンコーン大学とタマサート大学)から参加した5名の学生が、バンコク市内にて日本とタイ王国のデザイン交流とワークショップを行った成果を発表したもの。はじめに、本学デザイン学科の熊谷正信助教授が今回のデザイン交流にいたる経緯と実際の交流について報告した。
 日本とタイは1997年のアジア経済危機以来、経済的相互依存と伝統的交流の関係および、アジアの中でもパートナーシップの関係を保ち続けている。こうした背景と昨今のアジアンブームも糸口となり、距離的にも近いタイ王国と直接的交流を図ることとなった。第1回、第2回ともに両国のインテリアデザインの歴史と生活文化における相互理解を図り、両国の将来の産業とデザイン教育の発展につながることを目的として行われたが、1回目ではそのほかにタイで積極的に行われている一村一品運動の視察も実施。第2回の今回はタイの学生とペアを組んでのワークショップを実践し、過去の日タイ両国のデザインの流れを踏まえ、住環境を中心に共通の接点を見いだしながら具体的なデザイン表現へと展開していった。
 各学生とも言葉の違いからコミュニケーションを図るのに困難を極めたが、努力の成果あってそれぞれに作品を完成させ、今回の発表となった。こうした経験は学生の成長過程に大きなプラスとなると評価し、今後は学生だけでなく教員同士の交流も深めたいという熊谷助教授。第3回にはタイのチェンマイ大学との交流も企画しており、東南アジアとの文化のコラボレーションを若い知性と感性で積極的に展開して欲しいと締めくくった。
 展示作品は2年生の水野広大さんが関わった「ダイニングルーム」の「Checker」と、3年生の加藤明広さんが関わった「キッチンルーム」の「Rice@DustBox」と「Gourd@dustbox」。諸事情により未完成の作品はパネルでの展示となった。どの作品も両国の文化を巧みに取り入れているだけでなく、デザイン性も高く、見学者の注目を集めていた。



デザイン学科の学生のイラストがバレーボールの専門誌に掲載。 2005.07.29更新


 造形学部デザイン学科の学生、鈴木美保さんのイラストが、『バレーボール100Q入魂──どうすればパフォーマンスアップできるかに答える10──』(日本文化出版)に掲載された。この本はバレーボール学会に所属する専門家がそれぞれの立場で技術や方法を書いたハウツー書。本学バレー部の顧問である後藤浩史助教授が指導するスキー合宿に参加した際、提出したレポートのイラストが目にとまり、助教授が鈴木さんに依頼したという。
 本の中では、トスを上げるときのステップワークについての説明文と併せてイラストが掲載されているが、文章では伝わりにくい足の動きが巧みに表現されている。鈴木さんにとっても初めての経験で、実際に描くときは後藤助教授の指導を受け、パスの映像などを見ながら描いた。しかし、鈴木さん自身はバレーの経験があまりなく、助教授のチェックや書き直しなど、非常に時間がかかったと振り返る。鈴木さんは、手足や体など各部の動きはわかっても、それを一つにつなげて表現するのが大変。体の動きをわかりやすくイラスト化することの難しさがわかり、勉強になったと話している。また、プロのイラストレーターの作品と並んで掲載されたことが刺激になったともいう。
 人であれ、モノであれ、わかりやすく表現するためには、常にモノを見る力が必要。今後はそうした力を鍛え、どんなオーダーにも応えられるイラストレーターをめざしたいと語った。



愛・地球博、瀬戸愛知県館のプロジェクト、
『あいち環境絵本』にデザイン学科の学生の8作品が入選。
2005.06.28更新




 愛・地球博の瀬戸会場にある瀬戸愛知県館。そこに、あいち環境絵本の展示コーナーが設けられている。ここに展示されているのは、環境をテーマにして一般から公募した絵本の入選作品136点である。本学デザイン学科の4年生も9名が応募し、入選した8作品が展示されている。この絵本展に審査委員長として参加しているデザイン学科の杉田圭司教授が授業の一環として環境絵本の制作を指導し、応募を奨励した成果である。
 展示されている絵本はそれぞれ、動物や森、水など取り上げるテーマもさまざまなら、パステル画や水彩画など手法や素材も個性にあふれている。あいち環境絵本のコーナーには、入選作品の実物展示のほか、コピーした作品が置かれ自由に見ることもできる。また毎日県内の自主グループによる読み聞かせも実施。隣には日本児童出版美術家連盟(童美連)に所属するプロの絵本作家125名の作品も展示され、毎日多くの人でにぎわっている。
 2作品が入選した朝倉沙織さんは、固くならず、子どもに親しみやすいような内容を選んだという。また、和紙のちぎり絵で表現した福岡綾乃さんも、見た目を重視し、内容はできるだけ単純化したと話す。熊本美千恵さんは、水が循環している事実を題材にし、水の大切さを訴えた。高橋茜さんはみんなで協力することの大切さをストーリーにした。いずれも絵本として伝えることの難しさを感じ、多くの絵本を参考にしたり、環境について調べるなど、内容の企画や構成に時間を費やしたと振り返る。
 杉田教授は、海上の森に建てられ、万博閉幕後も自然保護施設として残される瀬戸愛知県館の企画として、あいち環境絵本のプロジェクトは非常にタイムリーであり、作品にその人の個性や生き方、人生観までもが表れているものもあり、見応えがあったという。また、学生も環境と向き合う機会に恵まれ、絵本を創ることにとどまらず幅広く学べたのではと語った。



デザイン学科杉田教授が所属する名古屋イラストレーターズクラブが
イラスト展『旅・セントレアから』を開催
2005.06.28更新


 デザイン学科の杉田圭司教授が理事を務める名古屋イラストレーターズクラブが、企画展『旅・セントレアから』を、5月30日(月)〜6月12日(日)まで名古屋市東区のセントラル・アートギャラリーにて開催された。企画展は今年で3回目を数え、毎回、専門誌『illustration』(玄光社)の誌上コンペ『ザ・チョイス』の入選作品を展示する『ザ・チョイス大賞名古屋展』とのジョイントで行われている。
 今回は中部国際空港の開港にちなんで「セントレア」がテーマ。クラブ会員約50名の作品が一堂に会し、見応えも充分。杉田教授の作品は、ダンボールコラージュで飛び立つジェット機の凹凸を表現。真っ白に塗られた作品の右隅には飛行機の切手が貼られ、唯一の色彩が全体を引き締めている。他のカラー作品の中でも色のない作品としてひときわ存在感をアピール。凹凸の変化だけで街並みや機体を表現し、全体のバランスも絶妙だ。その他の作品についても、表現方法やタッチもさまざまで、さすがにプロといえる個性あふれる作品ばかり。クラブに所属するイラストレーターにとっては、こうした企画展の開催や会員間の交流が、情報交換や刺激を受ける貴重な場となっているという。
 杉田教授はこのような企画展は仕事と違って自由に表現できるので、各イラストレーターの個性がより強く出ている作品が多い。学生にもぜひ見にきて欲しいと語った。



日本とタイ王国の学生による「デザイン・ワークショップ」に本学学生が参加。
両国のデザイン交流が行われた。
2005.06.24更新








 平成17年3月20日〜26日までタイ王国、バンコク市内にて日本とタイ王国のデザイン交流が行われた。
 この交流は昨年に続き2回目。両国のインテリアデザインの歴史と生活文化における相互理解を図り、両国の将来の産業とデザイン教育の発展につながることを目的として、本学造形学部デザイン学科の学生5名、及びタイ王国2つの大学から5名の学生が参加。初めての試みとして2名ずつのペアを組んでワークショップが行われた。今回のワークショップの成果は、7月20日〜25日の「両国デザイン専攻学生によるデザイン・ワークショップ展」にて発表される。

日本とタイ王国のデザインコラボレーションに期待
 ワークショップのテーマは「フィーリング」。テーマに沿って、リビング、ダイニング、キッチン、ベッドルーム、ファミリースペースという5つの空間をデザインする。ペアごとにコミュニケーションを図り、両国の文化と歴史やインテリアのテイストなどの情報交換をしながら制作を進める。帰国後の現在も制作途中であるが、それぞれにうまく両国の文化やデザインの融合を図り、ユニークで個性あふれる発表が期待できそうだ。

両国の文化を巧みに取り入れた学生たちの提案
 3年生の水野広大さんはダイニングを担当。サブコンセプトに「新鮮」を掲げ、両国に共通するという“低い位置での食生活”を今一度見直し、タイのイエローバンブーを使ったローテーブルを提案。かつて日本の食卓で見かけたちゃぶ台が発想の原点になっている。
 ベッドルームの担当をした4年生の青山充孝さんは、床に布団を敷くという両国の眠りの共通スタイルに注目して簡易的な寝具を提案。さらに巻き上げてインテリアとしても使えるような機能性も追求した。
 2年生で参加の伊藤義和さんはリビングルームを担当。少子化、核家族化によるリビングルーム離れから家族を戻そうと考えた。ろうそくなどの明かりに人が集まるということをヒントに、充電式の照明を提案。他の部屋に照明を持ち出しても、充電するために必ずリビングに帰らなければならないというものを考案した。
 4年生の三好真広さんは「ハッピー」をサブコンセプトにファミリースペースをデザイン。風鈴や団扇など生活のなかで風を取り入れる文化に着目し、風を共有し感じることのできるパーテーションを提案。さらに装飾的に施した紐部分は家族間での交流をはかるメッセージボードとしての役割も果たしている。
 キッチンを担当した4年生の加藤明裕さんは、環境をコンセプトにゴミ箱を題材とした。ゴミを捨てることそのものを楽しめないかと考え、アイランド型キッチンに取り付けることができ、インテリアにもなる米型のダストボックスをデザインした。

交流によりデザインの持つ意味を学んだことが大きな成果
 各学生とも今回のワークショップでコンセプトワークの重要さを学んだという。互いの相互理解、共通理解のためのコミュニケーション能力の重要性を感じたとも。本学デザイン学科の田川理恵助手は、今回学生たちが、現地で生活習慣や文化の違いを目の当たりにすることで、デザインの果たす役割や可能性について感じて欲しいと話した。また、ワークショップによって人と人の関わりの中からモノが生まれるということを学んでくれたのでは。さらに文化の違う人との交流によってそれを強く感じてくれれば、今回のワークショップも大きな意味を持つと語った。



デザイン学科の学生が
愛・地球博で、加藤源重氏の出展をサポート。
2005.06.22更新


 瀬戸会場の市民パビリオンで、「福祉工房あいち」代表の加藤源重氏が障害者向けの補助具を多くの人に知ってもらいたいと出展している。その隣でアシスタントをしたり、休憩時間に実演をおこなうなど加藤氏のサポートをするボランティアを本学造形学部デザイン・建築学科の学生が交代で行っている。加藤氏は事故で右手指を失って以来、その不自由さからさまざまな補助具を発明し「三河のエジソン」の異名をもつ。昨年10月の原山祭で、デザイン学科企画講演会に講師としてお招きしたときの、エネルギーあふれる講演が記憶に新しい。「福祉工房あいち」では万博への出展を決めたものの、人手不足に悩み、デザイン学科の諸江助教授に相談を持ちかけた。助教授が授業で学生たちに話をすると約30名が手をあげた。いずれも昨年の講演会で感銘を受けという学生がほとんどだ。
 今回の出展では立ち上げからかかわり、展示ブースのデザインやポスター、パンフレットの制作も行った。時間もなく作業が深夜に及ぶこともしばしば。しかし、不便な日常生活を強いられている多くの人達に補助具を広め、勇気をもって欲しいという加藤氏の熱意に動かされ、学生たちも積極的に協力した。会場へは展示が終了する7月上旬まで週1回から2週間に1回くらいのペースで足を運ぶ。平日は加藤氏が不在の日もあり、日々詰めかける大勢の来場者への対応もかなりハードである。パンフレットの制作を担当したデザイン学科4年生の福岡彩乃さんも、加藤氏の発想力と情熱に魅せられた一人。お手伝いをしながら加藤氏から元気をもらうことができたと話す。またタッチパネルを担当した研究生の村井昭生さんは、今回のボランティアのために大学に残ったという。加藤氏の思いをより多くの人にアピールできるようサポートしたいと語った。



3月に退官された関口由紀夫先生から、学生たちへのメッセージ。 2005.04.12更新
12年間本学造形学部デザイン学科で学生たちを教え、この3月に退官された関口先生の専門はプロダクトデザイン。これからはその知識を活かしながら、趣味として愛車のレストアに取りかかりたいとおっしゃる関口先生に、学生たちへのメッセージを語っていただきました。

●メーカーに勤務されていた関口先生が、大学で教えることになったきっかけは何だったのですか。
 昭和32年に大学を卒業して以来、ずっと三菱電機でプロダクトデザイン、つまり製品のデザインを手がけてきました。そこでは身体障害者の方や高齢者の方が使いやすいデザインなどを研究していました。今でこそ注目され、振り返れば随分先進的なことを手がけていたと思いますが、当時は割と地味な分野で、そろそろ新しい道を、という思いを抱き始めていたんです。30年以上ものづくりの現場にいたわけですからね。そんな時、ちょうどタイミング良く愛知産業大学が新設され、そこで教える先生を募集している雑誌広告を見たんです。さっそく応募したのがこの大学にやって来たきっかけですね。

●大学では、実務経験を活かしてプロダクトデザインを教えていらっしゃいましたね。
 造形学部の学生たちを教えるわけですから、座学だけでなく実技が伴ってくるわけです。どうすれば“つくる”ためのモチベーションを高くできるかをあれこれ考えました。例えば、瓶をデザインするという課題も、単純なガラス瓶ではなく、劇薬を入れるための瓶を、と条件を与える。そうすると倒れない形、危険を知らせるためにはラベルのデザインも必要になるという具合に、どんどん発想が広がっていくでしょう。実務ではいろんな条件や制約のもとでデザインをしていくわけですから、なるべく実践的な講義をと心がけていました。

●大学にやって来る目的は、と学生たちに問いかける講義もなさっていたと聞きました。
 私が大学生だった頃はもちろん勉強もしましたが、友人や先輩たちから刺激を受け、学ぶことも多かったんです。だから、学期の最初の講義では必ず「君たちは大学に何を求めてやって来たか」を問いかけていました。私の答えは「かけがえのない友人を見つけなさい」というもの。大学時代の友人は、何の利害関係もなく、必ず生涯を通して付き合うことができる宝物になりますからね。

●学生たちに伝えたいこと、また退官するにあたって伝えたいことをお聞かせください。
 人間には一人ひとりいろいろな個性があります。陽気な学生がいれば、パフォーマンスの派手な学生もいる。逆に、地味だけどコツコツ学ぶ学生も、もちろんいる。私はそれぞれの良いところを見つけ、評価することが教える人間の役割だと考えていました。ですから、学生たちには“自分自身が持っている力に早く気づき、磨け”と言いたいですね。また、先生方は一人ひとりが持っている力を早く見つけ出し、伝えてやってほしいと思います。そうすることで学生たちは自信を持ち、学ぶことへの意欲が高まると思いますからね。



「デザイン」て何だろう?そのヒントが見えてきた
造形学部デザイン学科第10回卒業研究・制作展記念講演会
2005.03.29更新




講師:佐藤 卓 氏(グラフィックデザイナー)
平成17年3月13日(日)

 自分自身の持てる力を出しきってつくり上げた卒業制作。学生たちが一つの大きな記念碑を完成させたその時、第一線ではどんな人々が活躍し、どんな動きをしているのか。そうしたことを知り、学ぶために、今回の記念講演会にはグラフィックデザイナーの佐藤 卓氏をお迎えした。テーマは“「デザイン」て何だろう?”。グラフィックデザインはもちろん、パッケージデザインからテレビ番組のアートディレクションまで幅広く活躍している佐藤氏が語ったのは、まさにデザインが持つ、無限の可能性だった。

「デザイン」て、世の中の病気を見つけ、治療していくこと。
 「デザインとは医者。世の中を客観的に見て問題を探り、自分自身の力で対処していくことがデザインなのです」その言葉を解説するために、ウイスキーの商品開発を例に挙げた。佐藤氏が広告づくりに携わっていたウイスキーメーカーの商品の中に、自分自身が飲みたいと思うウイスキーがないと感じ、自主プレゼンを企画した。新しいウイスキーをつくることは、ボトルの色や形、パッケージはもちろん、名前、価格、ウイスキー自体に含まれる内容まで決めること。テレビCFは行わないなど、全く新しい商品を育てるためのブランドデザインを行った。このプロジェクトの発端は、デザイナーとしてではなく一人の人間として客観的にウイスキーの現状を見つめたことだった。

「デザイン」て、間(あいだ)をつないでいくこと。
「過去と未来、人と社会など、デザインは様々な間を橋渡し出来るのです」例えば、40年以上同じデザインで販売してきたガムのパッケージでは、いかにいままでのイメージを変えず、新鮮なデザインとして消費者に届けられるか、という課題にトライ。店頭での商品ディスプレイの方法を想像しながら、いままで一つの面に入っていた要素を2面に分割してデザイン。ブランドとして存続してきたものに新しい命を吹き込み、さらに発展させていく結果となった。デザインは使い捨てではなく、企業文化を育てる財産にもなるという事例である。

「デザイン」するって、相手のために、社会のために気をつかうこと。
 「例えば、石段をもっとラクに上がるために、誰にも知られずに一段足しておくこと。デザインって、そんな気づかいを人や社会にすることなのです」佐藤氏がアートディレクターとして参加しているテレビの子供番組では、使われる文字の書体や出演者の衣装などを全部オリジナルで制作しているという。子供の目をテレビに釘付けにするための演出であるとともに、より洗練されたデザインをより多く子供の記憶に焼き付けるために、と考えた結果である。求められてはいないけれど、気づかいとして必要なことには手間を惜しまない。そこにもデザイナーの役割がある。

感じたこと、考えたこと、動くこと、すべてがデザインに通じる。
 デザイナーとは、単純にデザインするだけの役割を担う人ではない。講演を通して佐藤氏が語ったのは、あらゆる考え、あらゆる行動がデザインにつながっているということ。世の中を見て、何かおかしい、と感じたら、それを改善するために何をするべきかを考えることからデザインがスタートする。そして、それに必要なすべてのことにデザイナーが関与してこそ、真に伝えたいメッセージが広がっていくのである。デザイナーには個性が何より必要である、とは良く言われる話。ただし、違う人が考えれば、違うデザインになる。その人らしい個性が出たデザインは、ほっといても出来るものである、と佐藤氏は語る。いかに敏感なアンテナで社会を見るか、そして問題意識をどれだけ深く持つことが出来るかが、デザインの入口として必要であると感じた講演会であった。



70点以上の作品に熱い視線と注目が。
造形学部デザイン学科第10回卒業研究・制作展
2005.03.29更新
卒展  造形学部デザイン学科の4年生たちが1年間かけて準備してきた卒業制作。その力作を一同に集めた第10回卒業研究・制作展が3月8日から13日まで名古屋市民ギャラリー矢田で開催され、多くの来場者を集めた。6つの展示室には、グラフィックデザイン、ディジタルデザイン、プロダクトデザイン、ファッションデザインなど様々な分野で、一人ひとりの個性を存分に発揮した70点あまりが熱い視線を集めていた。
 また、最終日には“「デザイン」て何だろう?”というテーマでグラフィックデザイナーの佐藤 卓氏による記念講演会も開催。会場となった名古屋市東文化小劇場には350名を超す人々が来場し、熱心にメモをとる人々の姿が多く見受けられた。



大学生活の集大成、デザイン学科卒業研究・制作学内展を開催。 2005.03.22更新
卒展  大学で学んだ知識や技術を存分に発表する場、それが2月3日から6日まで本学2号館全体を使って繰り広げられた造形学部デザイン学科「第10回卒業研究・制作学内展」である。
 所狭しと並べられたのは、グラフィックデザイン、ディジタルデザイン、プロダクトデザイン、彫刻、ファッションなどの作品群。新しい切り口、新しい表現、新しいテクニックなど、一つ一つには考え得る限りの試みが実践され、まさに大学生でしかできない若さあふれるアート&デザイン展となった。会場内では作品の意図や伝えたいメッセージなどを見学者に一生懸命説明する学生の姿もあちこちに。大学生活の集大成が揃った場は、20代前半の考えや視点、発想を多くの人の前でプレゼンテーションする舞台でもあった。



高校生から教職員までが集い、
アートやデザインの可能性を語り合うシンポジウムを開催。
2005.03.02更新








アート&デザインシンポジウム Mikawa2005
アート&デザインの創造する「モノ」「コト」
──高校・大学の教育面から考える──

平成17年2月5日(土) 愛知産業大学コミュニティホール
●主催:愛知産業大学
●共催:名古屋芸術大学・名古屋造形芸術大学
●後援:岡崎市教育委員会・中日新聞社
●パネラー: 酒井 中児氏(愛知県立西尾東高等学校教諭)
加藤 千景氏(愛知県立岡崎商業高等学校教諭)
神戸 峰男氏(名古屋芸術大学美術学部長・教授)
鈴木 喜家氏(名古屋造形芸術大学造形芸術学部教授)
●コーディネーター:佐藤 延男(愛知産業大学造形学部デザイン学科長・教授)

アートやデザインが暮らしの中でどんな役割を果たしているのか。その可能性はどこまで広がるのか。また、若者たちがアートやデザインにふれ、その魅力を学ぶ教育の現場は、いまどうなっているのか。そうしたテーマを愛知県内の芸術系学部を持つ大学、さらには高校と大学が連携しながら考えていくシンポジウムが、本学コミュニティホールにおいて開催された。

デザインを学ぶ機会は減っている。ただし、デザインの可能性を知る機会は高校においても創造できる。
 まず、コーディネーターの本学デザイン学科長佐藤延男教授から、「近年デザインの道をめざす若者が減少傾向にあるが、その問題を大学と高校が共有し、解決していく必要があるのではないか」と問題提起が行われた。「美術の単位の減少、さらに美術科教諭の少なさが、アートやデザインにふれる機会を奪っているのもその一因」と語るのは西尾東高校で美術を教える酒井中児教諭。生徒数の減少とゆとり教育による授業時間減少の弊害がこうしたところにも現れているようだ。
 一方、岡崎市康生通りで市や商工会議所と協力しながら「OKASHOP(オカショップ)」を生徒とともに運営・指導する岡崎商業高校の加藤千景教諭は、生徒自身が企画・開発からパッケージデザイン、販売までを行う商品「天下の飴」を例に挙げながら、デザインが持つ意味や可能性を語った。商品を企画し、どんな戦略で販売していけばより多くの人に買っていただけるかを考える時、その魅力を十二分に伝えるデザインが施されたパッケージは大きな役割を持つというわけである。そのデザインが高いクオリティであるほど付加価値も増し、デザイン本来の意味である“人に伝えるメッセージ”も多くなる。まさに、学びの入口としてアートやデザインの魅力を体感する機会は、日常生活の中でも創造できることを教えてくれた。

感性を活かした未来の自分像が見える指導、それが大学に求められている。
 アートやデザインを学ぶための高いモチベーションを持って学生が入学してくる芸術系の大学では、いまどんな課題があるのだろう。名古屋造形芸術大学の鈴木喜家教授は、「大学でデザインを学んでもその分野の仕事に就かない学生が増えている」と語る。4年間磨いた感性を、他の分野で活かすというわけである。また、名古屋芸術大学の神戸峰男教授は、就職自体をしたがらない学生が目につくとも言う。もう少し時間をかけて表現の世界を追究したいというのがその理由であるようだ。この二つの傾向は、これから大学が若者たちに提供していくべきものを示唆している。一つは、感性や技術を磨くと同時にそれらが活かせる分野をさらに広げ、汎用性の高い知識を磨くこと。もう一つは、その対極をなす作家として夢を追う学生ニーズにも応えることである。
 アート、デザインが「モノ」や「コト」をいま以上に創造していける環境をつくりだすためには、何よりその意味や役割を理解した人材の創出が重要となる。高校においては学ぶきっかけづくりをいかに行うか、大学においては将来の可能性をいかに広げていけるか。学びの場の役割がますます求められているようだ。



世界中から参加者が集うカーデザインコンペで、
デザイン学科学生が最優秀賞を受賞。
2005.03.02更新
カーデザイン

カーデザイン

カーデザイン
 受賞の知らせを聞いたときは「まさか自分の作品が」と耳を疑ったと語るのは、車の専門誌「CAR STYLING」が主催する「国際カーデザイン・コンペティション2005」(学生の部)で最優秀賞に輝いた西川知伸さん(造形学部デザイン学科3年)。昨年に続いて2回目の応募で手にした快挙である。
 今回の課題は「X年後の道路利用トランスポーテイション───そのシステムまたはユニット」。人と自動車の関係が今後どう変貌していくのかを考える、大きなテーマが与えられた。西川さんが提案したのは道路を血管に例え、そこを渋滞することなく移動できる「ブラッドセル(血球)」とネーミングされた電動ビークル。車として最小単位の動力ツールを用意し、そこにイスやカバーなどを自由にプラスして、同じ車体でも目的に応じた様々なドライブ感覚が楽しめる車だった。人口密集地で滞ることなく移動するためには、ダウンサイジングが何より必要であるという考えを具体化するとともに、好きなようにカスタマイズする楽しさをプラスしたのだ。なんと、血液型に合わせたカスタマイズ例も提案の中には組み込まれている。
 一見したところカーデザインとしての派手さはないが、そこには一度落選を経験している西川さんの反省が活かされていた。「前回はかっこよさを優先しすぎてコンセプトに説得力がなかった。今回は何を、どんな目的でつくり、どんな効果が見えてくるか、という考えから先に入った」車という固定概念にとらわれなかったからこそ、血管、血球、血液型と発想が広がっていった。
 車のデザインをするためには、車に熱中しすぎていてはいけない。自分が好きな車をつくるのではなく、実際に使う人の視点で快適性を考えることが何より重要である。2回の挑戦で手にした西川さんの考えは、3回目の作品づくり、さらには社会に旅立ったときに活かされるに違いない。

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