デザイン学科4年生の水野広大さんが、
2つの学外デザインコンクールでダブル受賞。
2006.12.01更新


 本学デザイン学科水野広大さん(4年生)が学外の2件のデザインコンクールにおいて賞を獲得した。1件はアイリスオーヤマ株式会社の「第14回生活用品デザインコンクール」で、箸袋のデザインが学生奨励賞に輝いた。作品名はhashioki sack『EN』。円形の紙を2枚張り合わせ、1ヵ所から箸が差し込めるようになった一見シンプルなデザインだが、実は中央に小さな円形のミシン目が入っていて、くり抜けるようになっている。半分に折り曲げると箸置きに変身。くり抜いた部分に箸を置くことができる。さらにくり抜いた紙も単なるゴミにしてしまうのではなく、メッセージやマークを入れたり、おみくじにすることで楽しみを付加した。水野さんは、飲食店などで多くの人が、割り箸を使用する際に箸を袋から出した後、折って箸置きを作ったり、ちぎったりする行為に着目。そこにはその場の緊張や会話のもどかしさを和らげるような気持ちの動きが関係していると考え、そうした人の心理的な要素が含まれた行為をデザインした。
 2件目は「みなかみビエンナーレ」での大賞の受賞。群馬県みなかみというエリアでガラスを使って町おこしをしようとのコンセプトのもとに、ガラスを使った灯りのデザインを公募した。水野さんはインターネットで情報を得て、単独で4作品を応募し、その中の1作品『grow grow grow』が、見事大賞に輝いた。日頃目にしている本学周辺の水田が広がる風景から、「稲」をモチーフにデザイン。自然が持つ美しさとともに稲が光に向かって力強く伸びていくイメージを表現した。作品は現地のガラス工房で制作され、「月夜野びーどろパーク」2階ギャラリーにて11月23日まで展示。水野さんは、4年生になってデザインが少しずつわかりはじめ、どんどん作品を作りたいという意欲が湧き出て、それがコンクールやコンペに積極的に応募するきっかけとなった。数多く作品を制作していくうち、客観的な目でデザインできるようになったと振り返る。また2つの受賞で、自分の作品が認められたことは非常にうれしいことであり、自信にもつながった。今回の受賞が後輩に対しても制作意欲の喚起になれば。と話した。来年はデザイナーとしての第1歩を踏み出す水野さん。限りない可能性を秘めたデザイナーの卵にエールを送りたい。



「Save Me Poster Exhibition」に10名の学生が参加し、
社会に強いメッセージを発信。
2006.11.24更新


 これからの地球環境を考えるとともに、動物が絶滅していく悲劇を繰り返さないために、毎年ポスターの制作を通して社会に訴えかけていく「Save Me Poster Exhibition」が10月11日から16日まで、名古屋・栄の国際デザインセンター・デザインギャラリーで開かれた。
 愛知県内のデザイン系の学部を持つ大学、並びに専門学校の学生たちが制作した作品を一堂に並べたこの展覧会に、本学からは造形学部デザイン学科の学生10名が作品を寄せた。
 指導にあたった造形学部デザイン学科杉田圭司教授は、他の大学といっしょに制作したり、交流する機会が少ないため、同じテーマで作品をつくり、競い合うのは学生たちにとって良い刺激となっていると語る。会場に作品を搬入した後、学生たちはもっと制作時間をかければ良かった、もっとアイデアを考えれば良かったなど、作品の質を高めるための反省の言葉が多く聞かれた。杉田教授は、次はもっと良い作品を、という制作に関する高いモチベーションがここから生まれると言う。15回目を数えるこの展覧会は、つくる喜びを知る機会であるとともに、自分自身を磨く絶好の機会となっているようだ。



作品に込められた思いを学生たちが実感。
杉田圭司教授の作品が、スチューデント・スクエアで公開。
2006.11.20更新




 本学造形学部デザイン学科の学科長として学生の指導にあたりながら、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしても活躍を続ける杉田圭司教授の作品が、本学内のスチューデント・スクエアで続いて公開された。
 まず、いままでの作品を振り返りながらその足跡を紹介する杉田圭司作品展が10月2日から19日に開催。広告のメインビジュアルとしての役割を十二分に果たすイラストレーション、強いメッセージが込められたオリジナルのイラストレーションなどが数多く出展された。杉田教授はつくり続けることで、自らが進化していく可能性がいつまでもあることを感じ取ってほしい。さらに、一堂に集めた作品を通して、デザイナー、イラストレーターとしての生き方を知ってほしいと語る。
また、10月21日・22日の原山祭の開催と前後して「LOVE & PEACE 2006」が開催された。この展覧会は、名古屋を中心に活躍するイラストレーターやフォトグラファー、グラフィックデザイナーたちが、平和や自然環境の大切さを自らの作品を通じてメッセージするもの。杉田教授の呼びかけにより1984年から開かれ、自らも作品を出展している。例年、広島と長崎に原爆が投下された8月上旬に開催され、本年は名古屋市民ギャラリー矢田で行われた同展の作品をそのままスチューデント・スクエアに持ち込み、公開した。今年は韓国の作家からも作品が寄せられ、平和のメッセージを通して国際交流の場ともなったこの展覧会に参加することで、学生たちはデザインが持つ可能性、さらに作品を通して伝えられるメッセージの強さを実感できたに違いない。



デザイン学科ディジタルコースがロボットコンテスト会場で
「驚き盤」のワークショップを開催。
2006.11.08更新


 10月8日に岡崎中央総合公園体育館にて行われた第5回愛知中学生ロボットコンテスト会場で、本学造形学部デザイン学科ディジタルコースがディジタル・アニメワークショップを開催した。同会場でのワークショップは昨年に続き2回目で、今年は本学デザイン学科の村上泰介講師をはじめ、4名の学生が参加した。
 今回のワークショップは村上講師の知人でアニメーターの佐々木隼氏の企画によるもので、「驚き盤」を制作し、実際に動かしてどう見えるかを体験する内容。「驚き盤」とは、連続した12コマの絵を円形の紙に描き、それをもう1枚の細いスリットの空いた黒い円盤とともに回転させ、スリット越しに見ると動いているかのように見える仕掛け。フェナキスティスコープとも呼ばれ、映画が出現する以前に発明され、動く映像玩具として注目されたといわれる。隙間から見ることによって一瞬消えた画像が残像となって残るために動いているように見えるのだが、連続画だけを回転させてもそうは見えないから不思議である。実際にNHK教育テレビの「いないいないばあ」という番組の中のアニメーション「ながぐつの『ぶか』」や、「わたしのきもち」に出てくる「キモッチ」というキャラクターのアニメーションなどを手がける佐々木氏は、普段テレビなどで見るアニメーションが、実は簡単な仕掛けからできているのだということを実際に体験しながら理解してもらいたいと話した。
 ロボットコンテスト会場には出場した中学生以外に保護者や家族なども多く来場し、ワークショップには小中学生から大人まで20名ほどが参加。絵を描いたり、粘土を使ったり、写真を撮るなどして、少しずつ変化させた12コマの絵を制作し、完成した「驚き盤」を楽しみながら体験している姿が見られた。村上講師は、普段学生は制作するのみで終わってしまうことが多いが、こうした機会に積極的に参加して、実際に受け手に見せたり発信することで、得られる喜びや学びを体験して欲しいと言う。参加した学生の1人、3年生の野田智英さんは子どもたちの新鮮な発想に刺激を受けたと興奮ぎみに感想を語ってくれた。



岡崎産ブドウ加工品ラベルを、デザイン学科の学生が制作。 2006.09.12更新




 岡崎市果樹振興会が加工販売しているワイン、ジャム、スウィートソースのラベルを一新するにあたり、本学造形学部デザイン学科の学生27名が授業の一環としてラベルデザインを考案。去る7月11日、松坂屋岡崎店6階サテライトオフィスにて、選考会が実施された。岡崎市果樹振興会は地元岡崎市の主要農産物であるブドウを生産する農家66名により組織される団体で、ラベルの一新は販売促進と地場産業の活性化を目的として行われたもの。考案されたデザインは、6月15日から7月2日まで松坂屋岡崎店6階サテライトオフィスにて展示され、すでに消費者による一般投票も実施されている。選考会当日は、岡崎市果樹振興会会長の中根賢氏、岡崎市経済振興部長の鈴木保宏氏よりあいさつの後、本学造形学部デザイン学科長である杉田圭司教授も御礼と経過報告を述べた。杉田教授は、学生が実際の商品に関わる機会は少ないため非常にありがたい依頼だった、授業の一環として取り組めたのはいい機会であり、学生も一生懸命取り組んだ、予想以上にいい作品が集まったと自負している、と話した。その後、学生が1名ずつプレゼンテーションを実施。デザインの説明やアピールポイントをそれぞれ1〜2分程度行った。岡崎の特色を盛り込んだり、ブドウのイメージをアレンジするなど、アイデアが凝らされ甲乙つけがたい作品ばかり。およそ30分間のプレゼンテーション後、関係者による審議が行われた。審査員8名の票が入った作品の中で一般投票の多い作品にはさらに1票が加えられる。審議の結果、ワインラベルは出品ナンバー11番の菅野祐介さん、ジャムのラベルは6番の中園博之さん、スウィートソースのラベルは26番の新堀彩乃さんの作品に決定。岡崎市果樹振興会企画部長の柴田善彦氏より発表の後、感謝状が贈られた。ワインラベルに決定した菅野さんの作品は、岡崎のシンボルである藤の花とハクセキレイという鳥をあしらい、グラデーションを基調としてさわやかに表現されていた。杉田教授は岡崎の地域性が出ていて、千姫、竹千代の文字が入ったすっきりとしたデザインが良かったと講評。ジャムラベルに決定した中園さんの作品は、OKAZAKIのOから円形をモチーフにぶどう農園のツルをあしらったデザイン。繊細でジャムらしくブドウの絵が入っているデザインが評価されたと杉田教授。また、スウィートソースのラベルに決定した新堀さんの作品は、ブドウの円形をモチーフに少しずつ色を変えてリズム感のあるデザイン。教授は、特に「巨峰のしずく」というネーミングが振興会の評判を得たと話した。このあとラベルはそれぞれ杉田教授がデザインの微調整を行い、新ラベルとして印刷される予定。ワインは8月初旬頃、ジャムとスウィートソースは11月初旬頃からの販売開始が予定されている。選考された学生には新ラベルの貼られた製品が贈られるが、選考されなかった学生にも参加賞としてラベルを貼る前の製品が贈られ、自分のデザインしたラベルを貼ってくださいとのこと。最後に岡崎市果樹振興会、副会長の大黒弘市氏が、すばらしいラベルが決定して喜ばしい、今後はラベルに負けないようしっかり販売していきたい、と締めくくった。




中部電力岡崎支店の電気自動車ラッピングデザインに、
本学デザイン学科学生の提案が採用。
2006.05.23更新


 かねてより、環境にかかわる社会からの要請に積極的に応えている中部電力岡崎支店は、電気料金の集金等に活用する電気自動車のラッピングデザインを本学に依頼。デザイン学科の学生7名が10点を提案し、波多野祐作さんのデザインが採用された。
 波多野さんによれば、デザインをする上で一番大きな課題は、あらかじめ設定されていた中部電力の環境シンボルマーク「ECONP」(環境:ECO+音符:ONPによる造語)の印象をより明確に、優しく伝えていけるか、だったと言う。出来上がったデザインは、シンボルマークを中心に、音符が風のように爽やかに流れるイメージを、五線譜を使って表現。白い車体にECOを象徴する緑のデザインがマッチしたものとなっている。
 指導にあたったデザイン学科長の杉田圭司教授は、今回の提案を含め、大学と産業界がいっしょに取り組む産学協同事業を今後も積極的に展開していきたいと語る。デザインを通して、どんな役割を大学が果たすことが出来るか。電気自動車のラッピングデザインは、その一端が明らかになる事例ともなった。



個性あふれる優秀な42作品が一堂に。
デザイン学科第11回卒業研究・制作展
2006.05.12更新
 造形学部デザイン学科の第11回卒業研究・制作展が、2月24日から26日まで名古屋市・栄のナディアパークデザインホールにて開催された。同学科4年生が1年間かけて造り上げたグラフィックデザイン、ディジタルデザイン、プロダクトデザイン、ファッションなど全作品の中から、優秀な作品42点が選ばれて展示されていた。近未来を見据えた新たな提案を表現したもの、遊び心たっぷりな作品、癒しをテーマにしたものなど、さまざまな切り口からアイデアや工夫が凝らされた個性的あふれる作品を、会場を訪れた人々も熱心に見入っていた。それぞれの作品には、企画や研究に使用した資料やラフスケッチ、コンセプトなどがまとめられた資料集も添付されており、作品と合わせて見る人も。また、制作者本人が熱心に説明している姿も見られた。



本学デザイン学科学生が、
次世代デザイナーの代表としてプレゼンテーション
2006.04.11更新


 平成18年1月25日(水)、名古屋市・栄のナディアパーク・デザインセンタービル内のアートピアホールで開催された「デザイン・トリプレックス2006」のシンポジウムにおいて、本学デザイン学科3年の波多野祐作さんが次世代デザイナーの代表としてプレゼンテーションを行った。
 名古屋市をはじめとする3団体で構成されるデザイン事業推進委員会が主催するこの催しは、日本ディスプレイデザイン協会、日本サインデザイン協会、日本商環境設計家協会という分野の違う3団体も共催。あらゆる角度から空間デザインを検証するとともに、最新の動向を知る機会として中部地区では昨年度よりスタートした。
 名古屋芸術大学、名古屋工業大学大学院の学生といっしょに登壇した波多野さんは、自身の趣味でもあるスキューバダイビングを題材に、ダイビングチーム、及び店舗などにも展開されるVI計画を、会場に集まった大勢の人々にプレゼンテーションした。Sea Palというチーム名のロゴは、魚をモチーフにしたユニークなもの。関連するステーショナリー、ショッピングバッグなどのグッズ、さらには店舗看板などサイン計画にいたるまで多岐にわたるVI提案となった。
 プレゼンテーション後は、コメンテーターとして同席した建築家、空間デザインディレクターから講評が語られた。ブルーを基調にした色づかいではなく、海の夕陽をモチーフとした赤を使ったらもっとインパクトあるものになったのではないか。また、VI計画を企画する上では想定したストーリーを立て、それに沿ってビジュアル展開していった方が説得力のある提案が行えるのではないか。こうした専門家ならではの辛口の意見が多く寄せられ、気を引き締める波多野さんの姿を席から見ることができた。
 後日波多野さんは、とにかく初めての経験のため緊張の連続。厳しい意見はさすがにプロならではの視点であると、素直に受け止めた、と語った。“何事も挑戦”と話す波多野さんは、この経験をコンペや課題にも確実に活かしていきたいと意欲を見せていた。
 



第1回「GAKUTEN」記念講演会
「デザインは公共のためにある」
2006.04.07更新


平成18年1月28日(土)
講師:水戸岡 鋭治氏

 デザイン学科の1年生から3年生全員が、各学年終了時に、1年間の集大成として作品を発表するGAKUTEN。学生のモチベーションやレベルアップにつなげることをねらいに2005年度からスタートしたこの催しの開催を記念し、インダストリアルデザイナーであり、イラストレーターでもある水戸岡鋭治氏をお招きして講演会が開催された。デザイナーが持つ可能性、さらに果たすべき役割などを、ご自身の数多くの作品を通してお話いただいたが、若いデザイナー予備軍たちにとって、それはまさに生きた参考書となった。

●イラストレーションは、自分のデザインイメージを伝える手段である。
 デザインの持つ役割は、あらゆる人を心地よくすることである。そのために、どんなデザインが心地よいのか、また、それがどんな価値を持ち、どんな効果をもたらすのかを絶えず考えることがデザイナーには必要であると水戸岡氏は言う。まずイラストレーターからスタートした水戸岡氏は、五感を絶えず働かせながら日常を観察し、様々な色や形の中から最も心地よい色づかいなどを追究することで、単に描写するだけでなく、デザインの提案を行うための手段としていった。例えば、公園のイラストレーションを描く場合、まずはそこに生えている木々を寸分違わず写し取る。そして名園と呼ばれる公園のよいところ、さらにそうでないと感じたところを自分の中に蓄積し、自身が公園デザインを行う時に役立てるのである。また、車を描き続けることで、環境デザインを提案する際にその街に最も似合う車を描き込み、街のイメージを伝える手段とする。膨大なイラストレーションを作成することで、建築や工業デザインなど、様々なプレゼンテーションに役立てたのである。

●建築に関するデザインは、人々の思いに応えた形である。
 水戸岡氏の建築面での実績は、かつてあったものをリニューアル、リノベーションしていくというところに特長がある。その場所で長い時間を経てきた建物を新しくする際には、まずその歴史を繙くことからスタートし、どんな使われ方をしてきたかを調べると言う。その上でどんな不都合があるのかを知るのである。過去を知らないと未来は見えない。不都合を理解しないと新しいものは生まれない。そこを使っていた人がどうすれば違和感なく、便利に使い続けることができるかは、その過程が決め手になるのである。また、人を主役に考えた実績として、近年多くなってきた介護施設のデザインを例に挙げた。一般的に予算が少なく、利益を重視すると使われる素材などは二の次になりがち。しかし、そこで暮らす人々の思いを考えると、素材や形、色などは何より優先する必要がある。木をふんだんに使うことで温かさが感じられるし、優しい色づかいをすることで心も癒される。人の思いをどう表現するか。それもデザイナーに強く求められる役割と水戸岡氏は説く。

●車両デザインは、人々が求める“気分”に応えた結果である。
 90年代以降、水戸岡氏の名を広めた実績に、JR九州の車両デザインがある。福岡市の海の中道に向かう香椎線のジョイフルトレイン「アクアエキスプレス」から始まったその歩みは、1992年「つばめ」のデザインで世の度肝を抜くこととなった。鉄道の車両デザインの既成概念を打ち崩し、ブルーリボン賞やグッドデザイン賞などを受賞したデザインはもとより、つばめレディと称した女性客室乗務員のユニホームなどトータルな提案は、まさにデザインの可能性を大きく広げていった。水戸岡氏はそれまで車両デザインを手がけたことはなかったと言う。しかし、どんなデザインにも共通しているのは、どんな考えでデザインを具現化していくか。つまりコンセプトの重要性であり、それが決まれば、後はぶれることなくデザインプランを立てていけばよいと語る。「つばめ」のコンセプトは、ホテルのような車両。ホスピタリティあふれる列車であった。このことは後に、博多で乗車した時からゆふいんに行った気分を満喫してもらいたい、とデザインした「ゆふいんの森」、さらには2003年に開業した九州新幹線の車両「つばめ」でも活かされている。九州新幹線の車両デザインのコンセプトは、日本や地域の伝統を活かすこと。白を基調にし、内装に瑠璃色や緑青を使ったのもその一例。また、地元の楠木やイ草を内装の素材として使用するなど、ここでも水戸岡ワールドが具現化されている。
 街にはデザインがあふれている。特に公共のものは、それ自体が文化的・経済的な役割を担っている場合が多い。それを利用する人にとっても、運用する人にとってもメリットがあるものとして存在するためには、まずデザイナー自身の心と身体を磨くことが重要である。どんなデザインにするか、と考える前に、どんな考え方に基づき、どんなデザインプランを組み立てれば地域に最良の効果をもたらすのかを考える。水戸岡氏の講演会は、技術だけでなく、思考することの意味や意義を実感する場となった。

■水戸岡鋭治氏プロフィール>
1947年岡山市生まれ。国内・海外のデザイン会社を経て、1972年ドーンデザイン研究所を設立。1988年、福岡の「ホテル海の中道」のアートディレクションを手がけたことをきっかけに、JR九州の列車や駅のデザイン、広報関係のグラフィックデザインなどを担当する。JR九州デザイン顧問。最近の仕事として「西鹿児島駅」「横浜クイーンズスクエア・クイーンモール」のパブリックスペース、及びサイン・環具デザイン、「さいたまスーパーアリーナ」色彩計画・サインデザイン、2002年に誕生した岡山のライトレール「MOMO」の設計デザインなどがある。



デザイン学科がGAKUTENを開催。
1〜3年までの学生が1年間の集大成を発表。
2006.03.07更新


 デザイン学科では、1月25日(水)〜28日(土)までGAKUTENを開催。GAKUTENは1年次〜3年次までの学生全員の学年末修了展として行われたもので、今年度初めての取り組み。各学年修了時に学生の1年間の集大成として作品を発表することで学生のモチベーションやレベルアップにつなげることをねらいに企画された。
 作品は1年間に制作した作品の中から数点選んで出品。授業の課題作品が中心となっているが、学外の公募展やコンペに出展した作品や、GAKUTENのために特別に制作した作品を出品した学生もいる。デザイン学科長の杉田圭司教授は、GAKUTENはいわば進級課題のようなもの。学年末に発表の機会を設けることで、年間通して授業の課題作品はもちろん、公募展やコンペにも積極的に取り組むための動機付けになればと期待する。今回は、第1回ということで学生の取り組みにもばらつきが見られ、もちろん意欲的に取り組んだ学生がいる一方で、出品できなかった学生もいる。まだまだ荒削りではあるが、中には完成度の高い作品もあり、スタートとしてはまずまずの発進といえる。教授は、今後回数を重ねながら学内だけでなく企業へもアピールできるよう全体のレベルアップを図るとともに、出品するにとどまらず展示やディスプレイなど空間の演出も学生で行えるようにしたいと意欲的だ。
 

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