簗瀬 歩 准教授

簗瀬 歩 准教授
体育・スポーツ経営学
- ヤナセ アユム
- 競技スポーツ集団のマネジメントに関する組織論的研究。
愛知教育大学大学院 教育学研究科 修士課程修了。
研究室に伺うと、そこにはジャージー姿の簗瀬先生がいらっしゃいました。スキー部の顧問でもある先生は、冬の間の雪山トレーニングで真っ黒。毎日体育教育に携わっていながら、お休みも子供さんとキャッチボールをしたり、野球やサッカーチームに所属して練習や試合に出かけるなど、まさにスポーツ一色。体を動かしたり競技することの楽しさをご存じだからこそ、その魅力を高めるための研究にも熱が入ると推察しました。
- 先生のご専門はスポーツ集団のマネジメントとう具体的にはどんな内容なんですか?
- 正確に言うと、私の研究テーマは「競技スポーツ集団のマネジメントに関する組織論的研究」。いかに選手一人ひとりのパフォーマンスを引き出し、競技力をアップしていくか。さらに、その力をチームにどう活かしていくか。わかりやすく言えば、そのための組織論であり、指導方法論です。例えば野球でも、サッカーでも選手が最高の力を発揮して勝ち抜いていくためには、いまの日本の指導方法やチーム運営方法で果たして良いのかどうか。メジャーリーグやセリエAなどの試合や練習風景を見ていると思いますよね。日本的な経営、つまり終身雇用制や年功序列という伝統的な慣習がスポーツの世界にも及んでいて、若手のモチベーションを下げているのではないかと考えるのです。また、集団主義を何より優先し、個人の力がどうも過小評価されているのも大きな問題。こうした状況の中において、あらゆるスポーツの成果向上のために選手やチームをどう動かしていけば良いのかというスタンダードをつくること、それが私の研究のゴールです。3月26日から3日間、南山大学で行われた学会「日本体育・スポーツ経営学会第28回大会」において開催されたシンポジウムにバレーボールのサントリーサンバースの監督、高校の先生とともに参加し、研究者の立場からこうした内容の発表を行いました。
- 昨年のプロ野球問題や、アマチュア選手のプロ化など、
スポーツが何かと注目されていますね。 - 勝ち負けとは別にビジネスの分野でスポーツが注目を集めてきました。スポーツがビジネスチャンスを創造するようになってきたという時代的な背景がそこにはあると考えます。例えば、大きなスポーツイベントを企業がスポンサードするというのは昔から行われてきましたが、それ以外にも大会のチケット販売やスポーツ用品メーカーのファッション業界への進出をはじめ、スポーツ産業は世界的に大きなマーケットをつくりつつあります。それは、何より今の社会がスポーツを必要としている証なんですよ。長寿社会と言われていますが、ただ長生きするのではなく、体も心も元気な状態で長生きをしてこそ本当に長寿の意味がある。そのためにはスポーツは大きな役割を果たすことができます。実際にスポーツに参加すれば靴もウェアも必要になる。観戦もしたくなる。関連競技にも注目が集まる。最近のIT産業だけでなく、多くの企業が高い関心を持つのもわかりますよね。
- あまりビジネス化していくと、スポーツ本来の“健康のために、楽しむために"という魅力が薄れていくような懸念がありますが。
- 子供からお年寄りまでが体を動かす楽しさを知り、競技としてのスポーツの魅力を体感できるように、私は文部科学省や日本体育協会が中心となって推進している「総合型地域スポーツクラブ」のアドバイザーとして活動しています。これは、それぞれの体力や年齢、興味や目的に応じて、いつでもどこでもスポーツに参加し、楽しむことができるように、地域で様々な種目を持つ総合的なスポーツクラブ育成の応援をするというものです。自らが参加することで心も体も健康になることはもちろん、地域住民のつながりも強く、太くなる。スポーツ本来の目的を具現化しようと、クラブ設立の意志がある地域を訪問して相談に応じるなど、愛知県内を飛び回っています。スポーツ本来の意味を忘れたくはないですからね。

