造形学部 建築学科
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高木 清江 准教授

高木 清江の写真
高木 清江 准教授
建築計画学


タカギ キヨエ
名古屋工業大学大学院博士課程修了、博士(工学)。同大学大学院ベンチャービジネスラボラトリー中核的研究機関研究員を経て現職。環境の文化特性、都市・建築の詩性の研究などを専門とする。日本建築学会東海支部東海賞(論文)受賞。

本学で教鞭をとられるようになって2年。日頃忙しい分、休日は料理や買い物のほか、緑豊かなご自宅の周辺を散策されるなど、のんびり過ごすことが多いそうです。専攻の建築計画学の中では、環境の文化特性や都市・建築の詩性についてご研究を続けていらっしゃいます。先生が出合った「はっとする空間」についてのお話が、とてもリアルで印象的でした。

専門に進まれたご経緯と都市・建築の詩性の研究について教えてください。
大学は建築学系に進み、大学院では建築計画学を主に学びました。建築計画学の中には、設計をする際いかに人が快適に使っていけるかについて、調査や実験などを通して考えていく研究分野があります。そのなかでも私の専門は環境の文化特性や都市・建築の詩性の研究です。分かりやすく言うと、いわゆる建築や都市空間の中で「はっとする空間」についての探究で、驚いたり、どきっとするようなエキサイティングな空間がどのように構成されているかという部分です。たとえば、壁があってもその先には光がぱっと見えるというような、意外性のある空間や構成を見つけて、建物や都市空間設計に生かしていく研究です。
最近「はっとする空間」に出合ったご経験はありますか?
昨年夏休み期間に授業の一環で美術館巡りをしたのですが、東山魁夷瀬戸内美術館(香川県、設計:谷口吉生)で、「はっとする空間」に出合いました。駐車場に車を止めて美術館へのアプローチを進むと建物の手前の樹木が目に留まります。そこをこえて進んでいくとぱっと視界が開けてエントランスが突然現れます。まずそこで最初にはっとさせられました。建物の中に入っていくと展示室には、緑や黄色、ブルーが基調の東山魁夷の作品が並んでいるのです。そして展示品を見て少し降りたところで、ガラスを通して瀬戸内の海が見えるのです。額縁の中に現実の海があり、まるでそこにも一枚の絵があるような錯覚を覚えました。それまでクローズにされていた展示室の空間からぱっと開けて、海が見えるという空間にもはっとさせられるのですが、その風景が東山魁夷の画風にとても合っていてどきっとしました。予測できない空間が現れたとき、その意外性が感動を与えるのです。
名工大大学院ベンチャービジネスラボラトリー中核的研究機関ではどんなご研究を?
ベンチャービジネスラボラトリー研究員のときは、脳波で都市空間を測るという研究をしていました。より快適な都市空間のための研究のひとつで、ビデオで撮った空間や、CGで作った映像を見て脳波を測り反応を調べるというものです。脳波計には、被験者が見たイメージを4つの軸で表せるようにプログラムが組まれていて、今見ている映像がどのイメージに一番当てはまるかをリアルタイムにデータ化し、その人にとって快適であるかどうかを調査します。アンケートは慣れていないと苦痛な人もいるし、正確な回答が得られない場合もありますが、この方法なら生理的な感情まで調べることができるのでより正確な調査が可能だと考えられます。
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先生は日本建築学会東海支部東海賞(論文)も受賞されていますね。
「はっとする空間」といってもぴんとこないので、心に残っている建物や都市空間について、建築学科の学生25人にインタビューし、なぜそこに行ったのかというところから、なぜ心に残っているのかというところまでを探り、イメージ図にまとめました。さらにイメージの構成の成り立ちを分類して、「はっとする空間」のイメージのタイプ分けを導き出したものです。実際には体験した年代はさまざまで、幼いときもあれば、海外旅行の時という人もいますね。研究はまだタイプ分けのところまでで、その先は進んでいません。今後はそのタイプがどんなふうに実際の建物の空間構成と結びついているかを追求していきたいですね。たとえば、詩的イメージを受けた場所の空間の構成について調べるなど、これからの設計に役立つ研究にしていきたいと思っています。
授業ではどんなご指導をされていらっしゃいますか?
現在は主にCADやCGなどの実習系の授業を担当しています。実習系の授業では特に技術などの習得が重要なので、学生に分かりやすく理解できるようにと心がけています。私としては授業だけでなく様々な場で、学生たちといろんな話を楽しめるような関係や環境を微力ながら作っていきたいと思っています。
最後に、建築学科の学生に望むのは、好きな建築や本などに多くふれ、そこから建築をどんどん好きになって没頭できる分野を自分で見つけ出すことです。建築の分野に限らず、大学時代に好きなものを見つけて、社会に出ても続けていってもらいたいですね。
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