造形学部 デザイン学科
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荒川 寧 教授

荒川 寧の写真
荒川 寧 教授
彫刻(彫刻・テラコッタ・鋳造)


アラカワ ヤスシ
1974年愛知県立芸術大学大学院美術研究科修了。「彫刻二人展」(名古屋画廊)、第48回国展0氏賞。1977年第51回国展野島賞。1978年「鳥展」(ぎゃらりぃーあい)。国画会会員。日本美術家連盟会員。

ご趣味は山野を散策すること、という荒川先生。本学でも、授業の空き時間などに裏山に出向かれるそうです。四季折々の自然に触れることが一番のリラックス方法とか。その際に採った珍しいきのこで得意のイタリア料理をつくり、学生たちにふるまうこともあるそうです。ワインも好きで、ホームパーティもよく開催されるという、陽気な印象の先生です。

先生のご専門である「彩色テラコッタ」について教えてください。
彩色テラコッタとは、粘土を700~800℃で焼き、胡粉でつくった下地に絵の具で彩色したもの。言ってみれば、博多人形のようなものです。全盛期はイタリア・ルネサンス期で、フィレンツェ派とベネツィア派とに分かれます。私はフィレンツェ派のルカ・デラ・ロビアや、婦人像で有名なフランチェスコ・ラウラナが好みですね。彼らの場合、大作は少ないのですが、表現が繊細でそのナイーブな感性は日本人受けすると思います。
繊細と言えば、先生の作品にも通じるところがありますね。
そうですね。わかりやすく言えば、仏像への憧れとでも言うのでしょうか。金剛力士像など動きの激しいものではなく、例え手足をとっても静かな美しさが残る芸術への憧れです。外へ向かった動きのある作品はイタリアやギリシャに多いのですが、むやみに空間の広がりを求めることには、どうしても不自さを感じてしまうのです。限られた空間の中で収める、マクロではなくミクロの追求を大切にしていきたいですね。わかりやすく言えば、閉塞した空間の中に自らの世界観を創り出すこと。表情や僅かな手の動きによって魅せる、奥深い感情の表現です。厨子の中に静かに座する、伝統的な仏像の美しさ。そのような感性を、私は自らの作品にも求めています。
この道を志したのはいつからですか。また、何かきっかけがあったのでしょうか。
興味を抱いたのは、小学生の頃から。3年生の時に粘土で猿の親子を作ったことが始まりですね。その後、夢が具体的になったのは中学生の時。父方の祖母が面打ちの家系なのですが、井関家を再興してくれという話が私のところにきたんです。しかし能面というのは限られた世界観という印象があったし、芸術ではなく工芸のポジション。国宝にも指定されないんですよ。だからもっと立体的な作品づくりをという気持ちで面打ちの話は断り、彫刻を志しました。その後、彫刻の中でも費用のかからないテラコッタへと移行したんです。今は、売れなくてもいいから“真"をもって創りたいと思っています。家族や学生、電車の中で出会う人など、身の周りの人々の本質を見つめ、日記のような作品づくりができればいいですね。
先生ご自身が歩んでこられた道と比較して、今の学生たちにはどんな感想をお持ちですか。
目的の定まらない学生が多いと感じますね。過保護に育っているせいでしょうか。負けん気や向上心が不足しているように思います。そもそも才能といったものは二の次でいいんです。重要なのは、発想とそこに行き着くまでのプロセス。それらは下手でも一生懸命に取り組んでいれば自然に身につくし、作品にも魅力が出てきます。ですから私の授業は、結果だけで評価するようなことはありません。大勢の前で叱ったり褒めたりすることも大切でしょうね。より多くの人と情報を共有させ、周囲が理解したうえでの助け合いを促すことができれば、お互いを高め合う人脈づくりのきっかけにもなることもありますから。何人の友人がいるかではなく、どんな友人がいるかが問題。学生たちにも、人生の財産とも呼べる本当の友人を見つけてほしいです。

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