研究教育領域

デザイン学専攻では、α領域「身体性と日常」、β領域「空間と公共」そしてγ領域「情報と関係」の3つの研究領域を設けています。
「生活造形」の視点から新しいデザインを提案する――それを具体化するために、さまざまな道具や環境と関わりながら生活する人間の在り方を次の3つの視点からの問いに要約しました。3つの領域は、これらの問いをそれぞれ追求することになります。

  • 私たちの日常生活が心身のあり方を尊重し、それによく対応しているか。
  • 生活に要する空間の、私的あるいは共同のための構成と利用が適当であるか。
  • 意思疎通や情報伝達において、多様化した社会的関係にふさわしい方法が十分に考えられているか。

α(アルファ)領域「身体性と日常」

私たちは、いろいろな日用品や道具とつきあいながら日常を過ごしますが、出来合いのものは必ずしも身体動作や生活心理に適合しているとはかぎらず、また好ましい造形とはかぎりません。慣れや思い込みを排して生活実態を観察する中から、よりよい身辺をかたちづくるきっかけを見出し、具体的なものやシステムへと仕上げていきます。

α領域 実務研究 20年度実施テーマ(例)
  • 調理の作業性とインテリア性を両立できるキッチン収納のデザイン
  • 奈良伝統素材を使用した日用生活品のデザイン企画・開発
α領域 デザイン学特別研究 20年度実施テーマ(例)
  • ペルソナ法を応用したICMTの人間中心設計について

β(ベータ)領域「空間と公共」

私たちが過ごす一日の空間には、公私の両面があります。私的な室内や屋内はくつろぎや安らぎの場所であり、職場や広場は、人々の関係や用務に応じて緊張と抑制を帯びる公共空間です。これらの空間にふさわしい雰囲気を演出し、トランスポーテーションの機材を用いて再構築することによって、さまざまな場所や圏域や地域の新・再生を提案します。

β領域 実務研究 19~20年度実施テーマ(例)
  • 中国・上海に於けるファーストフード店の現状調査とその分析
  • 移動し・拡張する居住空間の災害時に於ける有用性について
β領域 デザイン学特別研究 20年度実施テーマ(例)
  • 中国に於ける先進的なファーストフード店のチェーン展開モデルの研究
  • 移動し・拡張する居住空間のイメージモデルの制作

γ(ガンマ)領域「情報と関係」

人間がもつ意思疎通の基本的欲求は、思いの表現と伝達の手法を発達させてきました。この手法は、用いる媒体によって多様になります。近年は紙媒体や平面だけでなく、電子媒体や立体も当たり前になり、機械情報の環境化・日常化につれて、倫理上の問題をも生じつつあります。好ましい情報伝達の手法とシステムを、種々の関係において探ります。

γ領域 実務研究 19~20年度実施テーマ(例)
  • 「交流」コンセプトに基づく企業ミュージアムのサイン計画
  • 稲沢水道組合HPプロトタイプ制作
γ領域 デザイン学特別研究 20年度実施テーマ(例)
  • デジタルコンテンツにおける学生参加型デザインマネージメント
  • 高齢者を対象とした癒しのイラストレーションについて

共通基礎

エンジニアリングによる問題解決を図る工学部系思考や、芸術表現として活動空間をデザインする美術学部系思考を融合できる、新しい現代的空間の造形行為に携わる高度な知識を備えた実践的職業人、また広く学術・技術・芸術を修め、知性・感性・品性のある人材を育成するため、それぞれの専門領域における高度な知識を深める前提として、社会造形・生活造形に携わる人間的素養と職業倫理について学修します。